「安倍踏襲」内閣なのに高支持率の不思議 菅首相から見えてくるリーダーの資質とは?(大関暁夫)

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寺田さんの信条「反省と挑戦」に学べ!

   菅首相の新政権の立ち上がりの姿勢を、寺田さんならどう思うでしょう。我が国がコロナ禍という経済的ジリ貧状況の中にあって、一国のリーダーたる首相が、前政権をまんま引き継いだ現状維持状態という、言ってみれば、やや弱気に思われるリーダーシップは、一流リーダーである彼女の論理で従えば、経済的にさらなる下降線に導いてしまわないのか、少々不安な気持ちにさせられるところなのです。

   こんな時だからこそ強いリーダーシップをもって、たとえば「1年以内に日本経済を、コロナ以前以上の状態にまで回復さえる!」などの強い決意を、GDP(国内総生産)などの具体的な数字を示しながら、その実現に向けた具体的な指針を国民に提示するぐらいの気概があってしかるべきなのではないか、と思ったわけなのです。

   ちなみに、連載内で書かれていた寺田さんの信条は「反省と挑戦」。業務見直しの基本姿勢を常に忘れないよう、本社の入口近くに今も掲げているのだそうです。

   いろいろありながら、「臭いものに蓋」状態で世論的にも消化不良の感じを残して終わっている安倍政権時代の不祥事への「反省」と、前述のとおりスタート時点では不足ぎみに感じる新たな「挑戦」。それなくして、就任ご祝儀的な支持率の高さは長続きしないのではないか、と感じた次第です。

   日本国のリーダーとして、成功した民間のリーダーたちから学ぶことも有益でしょう。「反省と挑戦」を踏まえた菅首相の我が国のリーダーとしてのいっそうの飛躍を、一国民として心より祈ります。(大関暁夫)

※本文章はあくまでリーダーシップの観点から書かせていただいたものであり、政治的な意図は一切ございません。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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