新型コロナウイルスの感染拡大が、仕事観や転職をめぐる意識にも、微妙に影響を及ぼしていることがわかった。
就職情報サービスの株式会社学情(東京都中央区/大阪市)が20代を対象に行った調査で、45.9%が、感染拡大の前後で「希望する業界や職種に変化があった」と回答した。「変化があった」と答えた人の希望する業界は、ITやインターネット系が大半だった。2020年10月6日に発表した。
調査によると、新型コロナウイルスの感染拡大前(2月以前)と比較して、「希望する業界や職種に変化があったか」との質問に、感染拡大前後で希望業界・職種に「変化があった」と回答した人(45.9%)のうち、46.9%が「IT・通信・インターネット」を選び最多。「サービス」(23.5%)や「メーカー」(20.4%)を引き離して、ダントツだった。
コロナ禍でテレワークの導入が加速。また、ネット通販や、ネットを使ったフードデリバリーの利用が増え、一定のITスキルやネットに関する知識の習得が必要とされるようになった。
そうした変化を背景に、長引くコロナ禍の中で拡大が見込まれるインターネット関連への転職を考えるようになった若者が多いことが推察される。一方、感染拡大前後で希望業界・職種に変化がなかった人たちの「希望する業界」はどうかというと、トップはやはり「IT・通信・インターネット」(35.0%)だったが、以下は「メーカー」(30.8%)「商社」(25.6%)が続いた。
手に職、スキル獲得に向く
「希望する職種」をみると、感染拡大前後で希望業界・職種に変化があったと回答した人は、「企画・事務・管理系」が46.5%で最多。次いで「IT エンジニア系(SE・システム開発・インフラ)」(29.6%)、「クリエイティブ系」(27.9%)が続いた。
感染拡大前後で希望業界・職種に変化がなかったと回答した人では、やはり「企画・事務・管理系」が54.5%で最多。「IT エンジニア系」は18.8%で3位、クリエイティブ系」は15.0%の4位で、それぞれ変化があったとする回答者のほうが10.8 ポイント、12.9 ポイント高くなった。これについて、学情は「手に職がつく職種」「スキルが身につく職種」へのシフトが表れた結果とみている。
なお調査は、2020年9月23日から29日までに、学情が運営する20代専門転職サイト「Re就活」利用者を対象に実施。アクセス時にアンケートをポップアップ表示する方法で行われた。有効回答者数は492人。