トランプ米大統領が新型コロナウイルスに感染したとの報道でドルが一時104円台に急落。円高ドル安が嫌気され、東京株式市場は下落傾向にある。米国の追加経済対策の交渉再開などドル買いの支援材料もあるものの、大統領選を控え、トランプ大統領の容体は経済への影響などがリスク要因となる。さらに欧米での感染再拡大もあり、不透明感が強い。
なお、東京株式市場は2020年10月1日、システム障害で終日売買停止に見舞われる、前代未聞のアクシデントに。翌日の商いは通常どおりに戻ったものの、金融庁が東証と親会社の日本取引所グループ(JPX)に報告徴求命令を出した。
どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 米国の追加経済対策に注目!
日経平均株価予想レンジ:2万2500円~2万3600円
2020年10月2日(金)終値 2万3029円90銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、レンジ内での動きとなりそうだ。
前週の日経平均株価は、3週連続で下落した。全般は堅調な動きで、1日に東証がシステム障害で終日売買停止となったものの、翌2日も相場は堅調に推移した。しかし、トランプ米大統領がコロナ陽性との報を受け、日経平均株価は下落した。為替相場でドルが1ドル=104円台に急落したことで嫌気された。
今週の日経平均株価は、レンジ内での動きとなりそうだ。1日の東証システム障害による終日売買停止でも相場が堅調だったことや、米国でムニューシン財務長官とペロシ下院議長が追加経済対策の交渉を再開したことなどは、相場の下支えとなっている。
一方で、トランプ米大統領の新型コロナウイルスの感染による米大統領選挙と経済への影響、新型コロナウイルスの感染再拡大など、さらに米国の追加経済対策の行方など不透明要因も多く、上値も重くなりそうだ。
東京外国為替市場 欧米のコロナ感染再拡大にドルの上値重く
ドル・円予想レンジ:1ドル=1ドル=104円00銭~106円50銭
2020年10月2日(金)終値 1ドル=105円33銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、上値の重い展開か。
前週のドル円相場は、ドルの上値が重い展開が続いた。米国で、ムニューシン財務長官とペロシ下院議長の追加経済対策の交渉再開や、米経済指標が市場予想を上回ったことで、一時は1ドル=106円近くまでドルが上昇する局面もあったが、トランプ米大統領が新型コロナウイルスに感染したとの報道でドルが急落。1ドル=105円割れとなった。
今週のドル円相場は、ドルの上値が重い展開となりそうだ。米国の追加経済対策の交渉再開などドル買いの支援材料もあるものの、トランプ米大統領の新型コロナウイルス感染による米大統領選挙と経済への影響などがリスク要因。加えて、新型コロナウイルスの欧米での感染再拡大もあり、ドルの上値は重くなりそうだ。
経済指標は、国内では5日に全国証券大会で日本銀行の黒田東彦総裁挨拶、7日に8月の景気動向指数、8日に9月の景気ウォッチャー調査、日銀支店長会議、地域経済報告(さくらレポート)、8月の国際収支、9日に8月の家計調査と毎月勤労統計などが予定されている。
海外では、5日に米国の9月ISM非製造業景況指数、6日に米国の8月貿易収支、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が全米企業エコノミスト協会の年次会合で講演、7日に9月15、16日開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録などが予定されている。
なお、5日のノーベル医学生理学賞発表を皮切りにノーベル賞週間が始まる。6日に物理学賞、7日に化学賞、8日に文学賞、9日に平和賞が発表される。
(鷲尾香一)