「就活をはじめよう!」と思い立った就活生がまず取り組むこと。多くの場合それは、「某大手就活サイトに登録すること」なのではないだろうか。かく言うわたしも、「就活生と言えば、まずは就活サイトに登録しなきゃ!」と思って、とりあえず登録したクチである。
ところがどっこい。この際だからぶっちゃけてみると、わたしの就活は、まったくと言っていいほど大手就活サイトを利用せずに終わったのである。
どうやらわたし、「大手就活サイト」と相性が悪い?
利用しなかったと言うべきか、わたしがうまく使いこなせなかったと言うべきか。とにかく、わたしは大手就活サイトとあまり相性が良くなかったようである。
ひと口に言うと、情報量が多すぎるのだ。もちろん、その情報の多さが大手就職サイトの魅力だということもわかっているのだけれど、あまりにも情報が多すぎてどれが自分の求めている情報なのか、だんだんわからなくなってしまうのである。
それに加えて、ひねくれ者のわたしは、「どうせ新卒採用にたくさんお金をかけられる、大手企業が上位に表示されるんでしょ?」という気持ちで就活サイトを眺めてしまうのだった。
広告費として、多くのお金を就活サイトの運営会社に払う企業が、サイトの中の目立つ位置をゲットできる、というのはビジネス的には当たり前なんだけど。それでも、そこまで「大手志向」ではなかったわたしとしては、使いにくいことこの上ない。「自分が本当に求めている情報」が、このシステムのせいで膨大な情報の海に埋もれてしまうのだ。困る!
「逆スカウト型」就職サイトでの出会い
大手就活サイトはわたしの就活の仕方には合わないな、と早々に見切りをつけた。その代わりに重宝したのが、いわゆる逆スカウト(逆求人)型の就活サイトである。
逆スカウト型の就職サイトとは、大手の情報型就活サイトほどではないが、近年利用者が増えている、新しいタイプの就活サイトである。
就活生がサイト上に自分の強みやアピールをあらかじめ書いておくと、その就活生に興味を持った企業側から学生に声がかかる、という仕組み。こういったタイプの就職サイトのメリットは、これまで自分が知る由もなかった企業と出会える可能性があること。そして、自分の強みやアピールポイントを認めてくれる企業との縁ができることである。これらのメリットが、わたしの思い描く就活の方法とピッタリ合致した。
もちろん、ただ漠然と企業から声がかかるのを待っていたわけではない。より自分と相性がいい企業とマッチングするために、背伸びしない程度に魅力的な自己PRを書くためにはどうしたらいいかと試行錯誤したり、この逆スカウトサイトのみに頼るのではなく、自分から興味がある会社の自社サイトを、一つひとつインターネット上で探しまくったりもした。
こういった部分を考えると、大手の就職情報サイトを使わずに就活するのは、非効率だと思われるかもしれない。けれども、わたしにはこちらの方が合っているという実感があった。たしかに時間と手間はかかるけれど、情報にのまれることなく、自分のペースで、自分のやりたい方法で就活を進めることができたと思う。
就職サイトに限らず、ありとあらゆる「就活の方法」が溢れている現代の就活。どんなツールを使って就活するか、そのツールは自分が使いこなせるものなのか。よく見極めて、自分に合った方法を見つけることが「満足のいく就活」への第一歩だと思う。(叶多凛)