【尾藤克之のオススメ】社内で意見が対立 うまく収束させるにはどうすればいい?

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   頭の回転が速い人、仕事がデキる人には「よく口にするフレーズ」があります。

   人間の思考は、言葉によってできています。つまり、彼らの言葉をマネし続けることで、簡単に彼らの考え方をもマネすることになるのです。

「頭がいい人のモノの言い方 デキる!と思われる45のフレーズ」(齋藤孝著)きずな出版
  • ビジネスで意見の対立はつきものだけど……
    ビジネスで意見の対立はつきものだけど……
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頭がいい人は意見のゴリ押しをしない

   ビジネスで意見の対立はつきものです。意見の対立を、うまくまとめることが求められるシーンは、どんな仕事でもあるでしょう。異なる立場の人の、正反対の意見で板挟みになり、悩む人も多いのではないでしょうか。

   あるいは、自分の提案が上司やクライアントに受け入れてもらえない事態もあると思います。そんなとき、相手の意見、提案に真正面から逆らい、自分の意見をゴリ押しするのは、あまり賢いやり方とは言えません。

   もちろん、どうしても譲れないことなら徹底抗戦するのもダメではありませんが、その結果として相手とのあいだにわだかまりが残ると、そのあとの仕事がうまくいかなくなってしまうようなデメリットも少なくないからです。

   そういうときに便利な言葉が「折衷案」です。折衷案とは、二つ以上の異なる意見のいいところを抜き出したりして、あいだを取った考えのことです。たとえば、新しいウェブサイトのデザインを決める際、自分の気に入ったデザイン案とクライアントの気に入ったデザイン案が異なっていたケースを考えてみます。

   具体的には、こんな言い方がでますよね。

「折衷案として、全体の色味とヘッダーのデザインは○○さんがご提案してくださったものにし、コンテンツの部分の見せ方は私の提案したものにしてみるのはいかがでしょうか」

   このような言い方をすれば、相手が全面的に突っぱねることはなくなるはずです。

ビジネスで大切なのは「落としどころ」

   ビジネスで大切なのは「落とし所を見つける」ことです。利害関係を調整し、関係者が納得するように仕事を進めるのが、頭のいい人の仕事のやり方です。この大前提は、忘れてはいけません。

   さらに、落としどころに収束させるためには、根回しが必要になります。ビジネスの根回しには、それなりの手間と時間が必要になることがあります。なかには時間のムダであると言われる方もいるかも知れません。しかし、最終的に企業への影響を最小限にするためには、根回しに掛かる手間や労力は必要コストと考えなくてはいけません。

   ビジネスでは相手に衝撃を与える厳しい決断を迫る場合があります。仮にそのような厳しい決断であっても、最大限相手に配慮することが根回しです。初歩的なことから説明しますと、上司や他の部門に頼みごとをしたいときや、重要な決定をしなければならないときには、会議の前にキーマンとなる人物に根回しをしておくことが必要です。

   会議で知らないことをいきなり話されても、相手もすぐに判断できず、了承してもらえないことは良くあります。会議の参加者はキーマンの意見を重視します。ですから、事前にキーマンに対しておうかがいを立てることも重要です。

   これは外部に企画を提案するなどのプレゼンテーションにも有効です。プレゼンで紹介する内容を、会議に出席する人にあらかじめ話して、賛成票を集めておけば良いわけです。事前に根回しをすれば、外部の企画提案をこちら主導で進めることができます。

   なかには公平性を期すために、そのような話を聞かないというケースもありますが、日本の社会で、完全にオープンな場など存在しません。もし事前に、根回しを拒否されたとしたら、それはかなり分が悪い企画提案だと思ったほうが良いでしょう。

   ビジネスでは、すでに事前にシナリオが決まっていることが少なくありません。落としどころやシナリオは事前に用意して流れに乗せてしまうことです。(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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