高い離職率は職場のバックアップ体制に問題あり!
また、小田原福祉会の講演では、運営する特養ホームの施設長、井口健一郎さんがコロナ禍以前に構築した採用体制を説明。「離職率が高いのは職場のバックアップ体制に問題があるから」と、求める人材像を明確にし、それに適合した人材を採用して法人全体で育てる重要性を強調する。
入社後の新人教育では、新人が戸惑いを生じないよう現場の「物差し」をブレのないものにしたことなどに言及。6年がかかりでスキームを作り上げ、採用、定着、育成のサイクルを充実化させた。2019年と2020年を合わせて26人を新卒採用し、これまで離職者は2人という。
井口さんは、
「介護現場で離職率が高いというのは大きな誤り」
と胸を張る。
「負のスパイラルである大量採用、大量離職では意味がない。離職が多い職場は現場が落ち着かないのでお年寄りも不安定になる。良いケアのためには負のスパイラルから、正のスパイラルにすることが必要」
と井口さん。
業界を問わず、入社3年以内の離職増加が指摘されている現在、介護業界に見習うことが少なくなさそうだ。