昼夜逆転シフトや会社に泊まり込む人が増える
一方で、終電の繰り上げに反対する人も少なくない。終電が早まったからといって、早く帰れない人もいるというわけだ。
「終電が22時台になったからといって早く帰れるようになるわけではない。むしろ部署によっては昼夜逆転シフトになるかも(21時出社6時退勤とか)。返って働きづらくなるよ」
JR東日本が来春(2021年春)のダイヤ改正で、東京駅から100キロ圏内にある在来線の終電を30分程度繰り上げることになった。具体的な内容は2020年10月中に発表する。JR西日本も同様の措置を、近畿エリアで来春から実施する。
実現すれば、残業時間が減る働き方改革につながる一方で、飲食店が営業時間の短縮を余儀なくされるなど、大きな影響が出そうだ。
ネット上では、
「遅くまで電車があるから遅くまで働かされる。残業が減って大歓迎だ」
と賛成する声が大半だが、
「逆に会社に泊まり込むことになる」 「遠くから都心に通っている人は困る」
といった反対意見も少なくない。ネットの声を拾うと――。
また、JRが沿線に開発した分譲住宅の住民に対して、「約束違反」になるのではないかという指摘もあった。
「JRが分譲した四方津(山梨県上野原市)や猿橋(山梨県大月市)に家を買った人は、下手すりゃ詐欺にあったようなものですね。最終を大月(山梨県)行きにしないと、中央本線は高尾で系統分離ですから、高尾発22時台に間に合わせるためには東京は21時台に出ないといけない。JRは『快適通勤』を謳って分譲したのに、まさか帰る電車がないとは!」
何よりも東京の居酒屋店主からはこんな抗議の声があった。
「居酒屋を経営しています。終電が早まれば、お客さんだけでなく従業員の帰宅時間も早まるので、なんやかんやで閉店時間を30分早めるだけではすまなくなります。リモートワークで客足が遠のいているところへ大変な打撃です。JRは電車の時間で生活が左右される私たちのことも真剣に考えてほしいです」
(福田和郎)