大ヒットドラマ「半沢直樹」(TBS系)が2020年9月27日、ついに最終回を迎えた。
半沢(堺雅人さん)が裏切ったと思われた中野渡頭取(北大路欣也さん)と大和田(香川照之さん)と手を組み、さらに敵だった白井国交大臣(江口のりこさん)を味方につけ、箕部幹事長(柄本明さん)の巨悪を暴くシーンにネットの興奮は頂点に達した。
「スカッとした。泣けた!」
「家族全員で拍手喝采しました!」
という声が圧倒的に多い。とりわけ、半沢が箕部幹事長を、
「忘れたなんて答弁は国会しか通じませんよ。一般社会では通じません!」
と糾弾するシーンに、
「これは間違いなく安倍晋三前首相と二階俊博幹事長を猛烈に批判している!」
と感じ取り、留飲を下げた人が多かった。「一本のネジ」に過ぎない一介のサラリーマン(銀行員)が正義を貫き通す姿に多くの働く人々が共感したのだった。ネットの声を拾うと――。
「政治家の仕事は人々がより豊かに、より幸せになることを考えること」
最終話のクライマックス。半沢直樹は箕部幹事長を真正面から見据えて、こう言い切った。
「政治家の仕事とは、人々がより豊かに、より幸せになる政策を考えることのはずです。今この国は大きな危機に見舞われています。航空業界だけでなく、ありとあらゆる業界が厳しい不況に苦しんでいる。それでも人々は必死に歯を食いしばり、懸命に日々を過ごしているんです。それはいつかきっと、この国にまた誰もが笑顔になれるような明るい未来が来るはずだと信じているからだ。そんな国民に寄り添い、支え、力になるのがあなた方政治家の務めでしょう?あなたはその使命を忘れ、国民から目をそらし、自分の利益だけを見つめてきた。謝ってください。この国で懸命に生きるすべての人に。心の底から詫びてください」
箕部はヨロヨロと倒れ込むように形だけの土下座をすると、逃げるように去って行った。権力を振りかざし傲然とふんぞり返っていた箕部が小物に成り下がった瞬間だった。
ネットでは、こんな声であふれた。
「このシーンには感動した。正義をこれほどまで前面に出すドラマは久しくなかった。青臭いと言われようとも、やはり人間は心から正しいと思ったことは、誇りを持ってやり遂げなくては...なのですね。理想に向かって、現実として今何をすべきかを考えなくてはいけない、ということを教えてくれたドラマだった。しかし、今の政治家の中に、白井議員のような気概のある人がいないことが、この国の一つの不幸です」
「安倍さんや二階さんを名指ししているわけじゃないが、半沢のセリフは間違いなくコロナ禍の状況で苦しんでいる国民へのエールと、無責任な対応に終始した安倍政権を意識している。桜を観る会やモリカケなどの問題に対する安倍さんへの言葉と受け取りながら見ていた。ドラマ作りがあっぱれです」