コロナ時代の世界潮流を読む 米国は覇権手放し、ドルは基軸通貨から追われる

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EU、サウジ、イラン、ロシアが使う決済通貨が変わる?

   金融面では、もう一つの動きとして、コロナ危機でトランプ大統領が敵視策を強化した中国や、米国との協調に消極的になっているドイツをはじめとするEUが、サウジアラビアやロシア、イランなど対米関係が悪化している国々と連携して人民元やユーロなどを決済通貨に使う動きが加速する可能性がある。

   そうなると、ドルの基軸性が低下し、QEの不健全さと相まってドルと米国際経済覇権の崩壊が起こり得るという。

   コロナ危機と、トランプ大統領の中国敵視・同盟国軽視がオーバーラップして、その相乗効果でドルや米国の覇権が失墜。代わって中国やEU、ロシアなどが並ぶ多極型の覇権体制に転換していく―― というのが著者の見方だ。

   中国をめぐり米国と同調しきれないEUや、コロナワクチンを条件に東南アジアに影響力を強める中国、独裁を国際的に非難されるベラルーシの後ろ盾を務めるロシア、といった現実をみると、本書のシナリオも有力な筋書きに違いない。

「コロナ時代の世界地図 激変する覇権構造と進む多極化」
田中宇著
花伝社
税別900円

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