来年の東京五輪で日本は韓国と仲直りしたいはず?
東亜日報によれば、菅首相や二階氏らは、安倍前首相の周辺にいた「日本会議」系の「反韓右翼勢力」とは一線を画すというのだ。中央日報(9月15日付)「日本の菅時代に新戦略... 朴智元・二階の20年ライン復元に注目」も同様の見方を示している。韓国の多くの日本研究専門家に取材して、
「安倍氏が日本最高の名家に生まれ、理念的色彩が強く、韓国に対する個人的反感が激しかったとするならば、菅氏は農家の息子として生まれ、実利的で現実主義的な性向が強い。菅氏は自民党内で勢力が大きくなく、今後自身の実績と成果を出そうとする政治的計算が強まる。その間隙に積極的に食い込み、悪化の一途である韓日関係の改善に努めるべきだ」
と訴える。そして二階氏の役割をこう評価する。
「日本政界の最高の知韓派は、自民党ナンバー2の二階俊博幹事長だ。『親韓派』という理由で右翼の攻撃を受けたことがある二階氏は過去数年間、韓国に関連する発言を最大限控えてきた。しかし、(昨年の輸出規制で)日本国内の反韓、嫌韓ムードが一気に高まると、これを和らげる役割をしてきた。テレビ番組に出演し、『日本が手を差し伸べ、譲歩できることは譲歩すべきだ』と話した。全国旅行業協会会長でもある二階氏は、民間人を引き連れて1200人規模で韓国を訪問しようとしたが、新型コロナの感染拡大で延期になった」
つまり、「反韓勢力の巨頭」安倍氏の退陣、実利主義から実績と成果がほしい菅政権の誕生、そして「親韓勢力の巨頭」二階氏の台頭......。これら格好の条件を利用しない手はないと中央日報はいうのだ。日本研究の専門家たちの意見をまとめ、こう結んでいる。
「今年下半期に予定される韓日中首脳会談が韓日関係の変曲点になれると専門家らは口をそろえた。聖公会(ソンゴンフェ)大学日本学科のヤン・ギホ教授は、『来年に東京五輪が予定されているため、日本の立場でも韓国と中国との関係を悪化させてよいことはないタイミングだ。11月3日の米大統領選挙結果が出てからしばらくは対米関係に集中するだろうが、その後開かれる韓日中首脳会談でモメンタム(運動の勢い、弾み)を作ることができるだろう』と予想する」
(福田和郎)