膠着状態に入った日韓経済戦争だが、菅義偉政権の誕生で融和の期待が韓国メディアで高まっている。
ただ、韓国が期待している相手は、菅義偉新首相ではない。自民党の二階俊博幹事長(81)だ。いったいどういうことか。韓国紙で読み解くと――。
菅・二階氏は安倍氏周辺の「反韓右翼」と一線を画す
東亜日報も二階幹事長に期待を寄せる。二階幹事長自身が「親韓・知韓派」であると同時に、二階氏の腹心で二階派幹部である河村建夫氏が日韓議員連盟幹事長として日韓友好に力を注いできた人物だからだ。東亜日報は菅政権の誕生に合わせ、河村建夫氏にインタビューし、「日韓議員連盟幹事長『日韓関係への右翼の影響は減るだろう』本紙会見で明かす」(9月15日付)という記事にまとめた。こう書いている。
「日韓議員連盟の河村建夫幹事長は、『菅義偉政権の誕生で日韓関係改善に弾みがつくだろう』と期待した。(その理由として)『韓国の重要性を強調する二階俊博議員が(自民党ナンバー2の)幹事長に留任する』と述べた」
そして、一問一答の中で、こう指摘したのだった。
――菅政権は韓日関係をどのように扱うか。
河村建夫氏「日韓関係は誰が首相になっても解決しなければならない課題だ。菅氏が首相になれば、関係改善に向けて努力することだろう」
――安倍氏が依然として影響力を発揮するという見方もある。
河村氏「外交問題を安倍氏に相談することはあるだろう。しかし、(韓国に対する外交政策は)今までとまったく同じではない。(日韓関係の改善を目指す議員である)私たちが関係改善に向けてさまざまな行動をすることが非常に容易になるだろう」
――菅政権と安倍政権の最も大きな違いは何か。
河村氏「安倍氏は(右翼団体)日本会議やその周辺の(保守の)人々の影響を受けやすい環境にあった。『嫌韓』までいかなくてもかなり似たような影響力を及ぼす人々が安倍氏の周辺にいたのが事実だ。しかし、菅政権は違う」
――菅氏は韓国に非常に強硬だと伝えられている。
河村氏「安倍政権の下で長く官房長官を務めたので、かなり影響を受けたことだろう。安倍政権を継承するので、当分の間、徴用工問題や輸出規制では変化はないだろう。しかし、韓国に対するホワイト国(輸出管理優遇国)への復帰などさまざまな解決策がある。菅氏はきっとこのような情報を集めて判断するだろう」