新型コロナウイルスの感染拡大への懸念と経済対策への期待感の後退、さらに世界的な大手金融機関のマネーロンダリング(資金洗浄)疑惑が明るみになったことで、米国や欧州で株価が大きく下落。3月のコロナショックの再来かと、週末にかけて東京株式市場での日経平均株価も下落した。
不安材料はまだある。米中対立の先鋭化に、9月15~16日の米FOMC(米連邦公開市場委員会)の会合で、2023年末まで低金利政策が継続されることになったことで、リスク回避のドル売りが優勢となった。円高の進行が株価を抑えている。
どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 円高進行に嫌気も
日経平均株価予想レンジ:2万2500円~2万3500円
2020年9月18日(金)終値 2万3360円03銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、下値を探る展開か。
前週の日経平均株価は、小幅反落した。4連休を控えて、全般は狭いレンジでのもみ合いだったが、為替相場で円高が嫌気された。
今週の日経平均株価は、東京株式市場の連休中に欧米株が大幅な下げとなったことを受け、いったんは下値を探る展開となりそうだ。米中関係の先鋭化、新型コロナウイルスの感染拡大に加え、米国議会で新型コロナウイルスのワクチンが国民に行き渡るのは来年夏ごろとの証言が出たことや、大手金融機関のマネーロンダリング(資金洗浄)疑惑の報道なども懸念材料となっている。
加えて、為替相場で1ドル=104円台前半までの円高進行となっていることも嫌気されそうだ。
東京外国為替市場 ドルが軟調、円高104円台
ドル・円予想レンジ:1ドル=1ドル=103円00銭~106円00銭
2020年9月18日(金)終値 1ドル=104円55銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの下値を確認する動きとなりそうだ。
前週のドル円相場は、ドルが軟調な展開となった。9月15~16日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げはなかったものの、2023年末まで低金利政策が継続されることが明らかとなり、リスク回避のドル売り・円買いが優勢となった。
今週のドル円相場は、ドルの下値を確認する動きとなりそうだ。東京外国為替市場が連休中にドル安・円高が進行し、一時1ドル=104円割れの水準まで円高が進行した。その後もドルの戻りは鈍く、ドル買い意欲は乏しい。米国の低金利政策の継続に加え、新型コロナウイルスの感染拡大、米中関係の先鋭化などがドルの上値を抑えている。
経済指標は、国内では24日に7月14~15日開催の日本銀行の金融政策決定会合議事要旨などが予定されている。
海外では、24日に米国の8月の新築住宅販売件数、EU(欧州連合)臨時首脳会議(25日まで)、25日に米国の8月耐久財受注などが予定されている。
(鷲尾香一)