対ユーロは円高リスクに注意! そのワケは?
ドットチャートでは、確かに多くのメンバーが2023年までのゼロ金利を支持しましたが、逆にみれば、非常に高いハードルにも関わらず利上げできると考えるメンバーが4人もいるということです。景気の回復に米金融当局は自信を持っているということになるでしょう。
2%を超えたインフレ率を今後容認するということは、将来的なインフレ懸念から長期金利が上昇することになります。長短金利差の拡大です。
長期金利が今後少し上昇することになると、為替や株式の関係者からみると、米国金利は上昇しているように感じられるでしょう。そうなると、株価は少し頭打ちとなり、金や銀、ユーロドルなどの上昇にも少し歯止めがかかるかもしれません。
一方、日本では菅義偉内閣が誕生しました。菅首相はアベノミクス路線を継承すると言っていますし、その方向で行くものと思われます。しかし、アベノミクスの象徴であった安倍首相が舞台から消えたのは事実です。菅首相が安倍元首相と同じぐらいトランプ米大統領の信頼を得られるのかどうかわかりません。少なくとも、市場はそこを試したくなるとは思います。
頭打ちのユーロドル、そしてドル円では、本当にアベノミクスは継続されるのか、市場が試したくなるとすれば、ユーロ円が少し落ちる展開になる可能性があります。ユーロ円での円高リスクに注意です。(志摩力男)