課題は「薄利多売のビジネスモデル」からの脱却
こうなると、赤字決算といわれても、2019年度までで6年連続の最終赤字に陥っているのですから、驚きもあまりありません。
現在、JDIはシンガポールに本拠を置く独立系の資産運用会社、いちごトラストから資金支援を得て、再建を進めています。債務超過の解消や不正会計問題への対応に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けるなか、立て直しを軌道に乗せられるかが生き残りの課題です。「日の丸液晶」のメンツにかけて、です。
また、現状のスマートフォンなどのモバイルと車載用液晶パネル事業は、売上高全体の90%(19年度実績)を占めていますが、現状では薄利多売のビジネスモデルとなっています。
こうした背景の中で、同社は需要変動の大きい液晶パネル依存から脱却し、安定収益を得られる新規事業の育成を急いでいます。ヘルスケアやメディカル分野や、セキュリティ分野と親和性が高いとのことで、さらにヘルスケア分野は新型コロナウイルスの感染拡大によって新たな需要が続々生まれている有望市場であるため、従来の液晶パネル技術を応用した生体センサーや非接触操作型ディスプレイを武器に、市場参入を狙っています。
まだまだ、これから!
では、また来週!(馬医金満)