東京の一極集中、終わりの始まり? 「住みたい街ランキング」にも異変

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   新型コロナウイルスの影響で「密」を避ける動きが鮮明化したことやテレワークによる働き方が広がっていることから、東京都の人口は転出超過の傾向が続いている。

   コロナ禍で行われた「住みたい街ランキング」の調査でも、消費者の郊外志向が強まっていることが示された。テレワークの拡大を先途と、首都圏からの移住を促す地方自治体の動きも活発だ。これは東京一極集中の終わりの始まりなのか――。

  • 東京都は7月に再び「転出超過」
    東京都は7月に再び「転出超過」
  • 東京都は7月に再び「転出超過」

「感染第2波」で転入者が大幅に減少

   総務省が2020年8月27日に明らかにした住民基本台帳人口移動報告によると、7月の東京都への転入者は2万8735人で、前年同月より4203人減った。一方、転出者は3万1257人(前年同月比482人減)。転入者が大幅に減少したことで転出超過になった。

   新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が出ていた5月に、東京都は、比較が可能な2013年7月以降で初めて転出超過を記録。緊急事態宣言が解除された6月には転入超過に戻っていたが、感染者が増えた7月はまた転入者が減った。

   関東地方の他県をみると、神奈川県で1万5284人に対し転出1万5963人と転出超過だったほかは、埼玉県、千葉県の「東京圏」も茨城、栃木、群馬の各県も転入者が転出者を上回った。

   感染予防のためのテレワークの拡大もあって、過密都市と呼ばれる東京での「密」を避ける気持ちが強まっているのは間違いないなさそう。とくに若年層を中心に住まい選びについて意識の変化が起きている。

   内閣府が2002年6月21日に結果を公表した「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によると、地方移住のへの関心の高まりは20代で最も高い。「関心が高くなった」「関心がやや高くなった」を合わせた割合は全体で15%だったが、20代では22.1%。他の年代別では30代20%、40代15.2%、50代以上10.2%だった。

   さらに20代を地域に分け「東京23区」「東京圏」「大阪・名古屋圏」でみると、東京23区に住む20代の35.4%が「地方移住への関心が高まっている」と答えた。

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