「辞めさせない」のリスク
「辞めさせなかった周りにも責任がある」
周囲がリーダーの健康問題に気が付いた時には、フォロー体制の構築を急いでリーダーがいつでも長期休養あるいは辞任できる準備を進める必要があります。今リーダーに辞められると困るとか、代わる者がいないから、本人にも辞める意思がないからといった安易理由から、健康を害しているリーダーをそのままの職において見過ごすことは、病悪化による最悪のケースを突然迎えることにもなりかねず、そうなった場合どうにも対処方法がなく組織が崩壊していうという大きなリスクを抱え込むことでもあるのです。
「リーダーと健康」という問題は、健康であるということを前提に、日々を送り続けている限りにおいては、ほとんど意識する機会がないかもしれません。しかしながら、ひとたびリーダーが健康を害した場合には、その心配はや不安は組織全体を覆うことにもなり、組織の雰囲気や活力や求心力と言ったものが急激に失われることにもなりかねません。
ふだんあまり意識しない問題であればこそ、国のリーダーである首相が健康を理由に辞任したこの機会に、まずは自身の健康状態を意識して再確認してみてください。
そして同時に、今いかに健康体であっても、今後自身が万が一健康を害した場合に、どのような対処をするべきなのか、よくよく考えて、心構えと準備を怠らないようにしてほしいと思います。
加藤氏が言うように、病気だからという理由で目をつぶることがあったり、議論をストップさせたりすることがあってはいけないからです。(大関暁夫)