「携帯料金下げないなら電波利用料を上げる!」菅義偉「次期首相」の携帯3社への「恫喝」が飛び火 ネットに「NHK受信料を下げて」の声が殺到

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   「次期首相」が確定している菅義偉官房長官(71)が2020年9月13日、携帯大手各社に携帯電話料金を引き下げさせるために、「電波利用料の引き上げ」に言及したことが波紋を広げている。いわばコワモテで鳴る菅氏一流の、寡占状態を続けている大手3社、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクに対する「恫喝」とみられる。

   しかし、ネット上では携帯電話料金が下がることには大賛成だが、「首相になるべき人が発言する内容だろうか?」という疑問の声と、「公共の電波云々というならNHKの受信料をなくしてくれたほうが助かる」という声が圧倒的に多く、思わぬ方向に議論が飛び火している。

   いったいどういうことか、ネットの声を拾うと――。

  • なぜか携帯電話料金値下げに執念を燃やす菅義偉「次期首相」
    なぜか携帯電話料金値下げに執念を燃やす菅義偉「次期首相」
  • なぜか携帯電話料金値下げに執念を燃やす菅義偉「次期首相」

「公共の電波で儲けるな」発言がヤブヘビに

   菅義偉官房長官にとって、携帯料金の引き下げは「ライフワーク」の一つらしい。2018年8月21日、総務相経験者でもある菅房長官が突如、定例会見の席上、携帯料金について、

「競争が働いていないと言わざるを得ない。料金はあまりにも不透明で、他国と比較すると高すぎる」

と発言。これを契機に政府からの値下げ圧力が一気に高まった。

   しかし、さまざまな手を打ってもなかなか料金は下がらないため、総務省は格安スマホの普及促進に方針転換。2020年6月、格安スマホ会社「日本通信」がドコモに対して求めた回線利用料の引き下げを認める裁定を公表した。ドコモは年末までにほかの格安スマホ会社にも、同条件で新たな利用料を示す必要に迫られた。

   また、総務省は料金設定に関する新たな指針案も公表。KDDIとソフトバンクも見直しを迫られている。

   こんな中で、菅官房長官は9月13日のフジテレビの「日曜報道ザ・プライム」の自民党総裁選特集企画で、携帯電話料金の値下げの必要性を改めて強調して、こう語ったのだった。

「携帯電話料金の値下げが実現しない場合は、電波利用料の見直しはやらざるを得ない。事業者は電波を借りて収益を上げているから、そこまで踏み込まなければならないのかなと思う。電波は国民の財産だ。事業者はその提供を受けてサービスを展開している。日本は世界でも圧倒的に(携帯電話料金が)高い水準だ。私は、4割は下げられると提案している」

と訴えたのだった。

電波利用料を値上げすると、逆に携帯料金が上がるのでは?

いまや全国民が1台持つようになったスマホ
いまや全国民が1台持つようになったスマホ

   この発言について、ネット上では「携帯電話料金が下がるのは大賛成だ」という声が圧倒的に多い。

「携帯料金などの情報通信費の引き下げに賛成します。すでに携帯電話、スマートフォンは10代から一人一台保有することが一般的であり、この家計支出が引き下がれば、他の家計に回すことが可能です。情報通信、電気、ガス、水道、住宅、教育などは生活インフラであり、すべての人たちが利用する生活必需品です。公共性が高いサービスです。いかにアクセスしやすくしていけるか、世界各国でも民営化、公営化も含めて、運営方法の議論が進んでいます。日本でも政府が介入をしながら、すべての人が活用しやすいように、整備していただきたいと思います」
「いまや、情報化社会で、災害対策から公共サービスの申請、決済までスマホでされているのだから、水や電気と同じくらい幅広く使えるようになってほしい。いわば公共物でしょう。公共の電波なのに高すぎる。そもそも通信制限なんか必要ないし2、3000円で使い放題とかにならないと話にならない」
「家計に占める通信料金の割合が高すぎる。中間層の我が家でも大変なのに、これが貧困層であれば、下手したら、日進月歩の情報社会から取り残されてますます格差が広がります」
「発展途上国とかに旅行してsimを買うと、日本の電波がいかに高いかよくわかる。公共ビジネスで利益率20%とかありえない。分母(売り上げ)が5兆円クラスだからね。そりゃあCMを垂れ流せるし、ドコモ口座で引き落としの問題があっても民放テレビは叩けないよね」

   また、これまでの総務省の電話料金値下げ対策がちぐはぐだったという指摘が多かった。

「端末値引き規制など、する必要ないことをするからこうなる。必要なのは1GBあたりの上限価格規制。5GB 1000円くらいで規制をかければいい」
「3社で均衡保ちながらあの手この手で下げさせないでしょ。ソフトバンクも革命を起こすって参入しときながら、結局は他社に水準を合わせてこれ以上下げる気がないし」
「スマホ本体の値引きを止めさせ、その分基本料金を下げさせるはずだったが、今はスマホの値引きはなくなったのに、基本料金は変わらず前よりひどくなっているんだけど。菅さんが下げろと言うたびに機種代込みだと実質値上げしている気がするのは私だけ?」
「iPhone5cぐらいの時の本体バラ撒きと、月額割引が付いていた時のほうが安かった。2年ごとにキャリアを乗り換えていれば、今の格安simぐらいの月額でiPhoneが手に入っていた。政府がよけいなことばかりするから、本体値引きは2万円まで、月額は高止まりの値引きなしの状態だ。無能過ぎるよ」

総理が一つの業種をターゲットにするとはいかがなものか

NHK受信料こそ何とかしてほしいという声が(写真はNHK)
NHK受信料こそ何とかしてほしいという声が(写真はNHK)

   また、菅氏が「電波利用料の値上げ」に言及したことに対して、返って携帯電話料金の値上げにつながるのではないか、という疑問の声も多かった。

「番組内で菅さんはなぜか急に電波利用料の値上げに言及した。しかし、値上げすれば携帯電話会社にとって、コストになり経営の負担が増す。コストが上がれば、携帯電話料金の値下げどころか、値上げにつながる。なぜ、菅さんは携帯電話料金の値上げにつながるようなことを言うのか。真意がまったく見えない」
「番組では、橋下徹さんが『電波利用料を値上げすると、携帯料金が上がる場合もあるのではないか?』と聞くと、菅さんは『いや、ですけどもその分国民に入ってきますから、税金として』とワケのわからないことを言っていた。なぜ各紙この重要なやり取りを書かないのか不思議でならない」
「一つの業種をターゲットに、次期総理がこういう発言することがいいのか疑問だ。携帯料金の値下げは一定数の支持が見込めるという計算なのでしょうが、総理がすることはそれじゃない感が否めません。コロナ拡大中のGoToトラベルキャンペーンといい、何かの力?と思ってしまう」

   また、ネットの声でいちばん多かったのが、「電波の公共性」と「料金が高すぎる」ことを問題にするならNHKの受信料の問題にメスを入れてほしいという声だった。

「見直しは結構ですが、公共電波と言えばNHKもですよね。携帯料金は使っている時間の長さを考えると仕方ないと思えるけど、NHKはテレビ見る時間を考えたら、ほとんど見ない立場から考えると異常な料金設定だ。番組表を見ても見たいと思うようなものはやっていないし、テレビを所有しているだけでお金を取られるなんて馬鹿げている」
「たしかに、simフリーになってから携帯代があまりかからなくなった。そのあたりの事情を知らずに、いまだ大手キャリアと契約している人たちが菅さんのターゲットなのでしょう。キャリア以外は都心の混雑時の速度がやばいが、割り切ればいい。うちは家族4人で月5000円、子供2人はデータのシェアsim、LINEがあるから社会人になるまで番号は不要、一応基本料金無料の050は入れてある。だから通信費でバカにならないのがNHKの受信料だ。10月から下がるが雀の涙だ。大幅に下げて欲しい」

(福田和郎)

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