ユニセフ(国連児童基金)は、OECD(経済協力開発機構)とEU(欧州連合)に加盟する38か国の「先進国の子どもの幸福度ランキング」を、2020年9月3日に発表した。
日本の「子どもの幸福度」は総合順位で38か国中20位と低迷している。
「精神的幸福度」「身体的健康」「スキル」の3分野をランク付け
ユニセフの「子どもの幸福度」は、精神的幸福度と身体的健康、スキルの3つの分野をランク付けし、総合した順位となっている。
精神的幸福度は、「15歳時点で生活満足度の高い子どもの割合」と「15~19歳の若者の自殺率」をベースとし、「15歳時点で生活満足度の高い子どもの割合」で、日本は62.2%だった。平均の75.7%を下回り、1位のオランダとは20ポイント以上の差が付いた。
割合がもっとも低かったのはトルコの53%で、日本は下から2番目という結果だった。
「15~19歳の若者の自殺率」は2013年~15年の3年間の1万人あたりの自殺者数の平均をベースとしており、日本は7.5人と平均の6.5人を上回った。もっとも自殺者数が少なかったのはギリシャで1.4人だった。
この結果、精神的幸福度の日本の順位は38か国中37位に甘んじた。
身体的健康は、「5~14歳の子どもの死亡率」と「過体重または肥満である5~19歳の子どもと若者の割合」がベース。「5~14歳の子どもの死亡率」は1000人あたりの死亡数で日本は0.7人と平均の1.0人を下回っている。最も死亡数が少なかったのは、ルクセンブルグで0.4人だった。
「過体重または肥満である5~19歳の子どもと若者の割合」では、日本は14.4%と平均の28.9%を大きく下回り、最上位となった。肥満や過体重の子どもたちの割合は近年増加しており、ほぼすべての国でおよそ3人に1人の子どもが、肥満または過体重の状態にある。
この結果、身体的健康の日本の順位は38か国中1位となった。