「頼みの綱」のワクチン開発は暗礁に乗り上げた?
さらに、「頼みの綱」のワクチン開発もスムースに進んでいない様子。英オックスフォード大とワクチンを共同開発しているアストラゼネカ社が、臨床試験を一時的に中断したことが報じられたばかりで、実用化の遅れが懸念されています。
米紙USAトゥデイは、「2021年の前半まで、コロナは世界中に広がり続ける」という、ジョージワシントン大学教授のコメントを紹介。「ロジティックス的に東京五輪の開催は不可能」「運営側にもアスリートにも、準備時間が足りない」と伝えています。
ワクチンに関しては、IOCのバッハ会長も次のようにコメントしています。
IOC chief Thomas Bach says vaccines won't be 'silver bullet' for staging Olympics
(IOCのトーマス・バッハ会長は、「ワクチンは五輪開催の『特効薬』ではない」と発言している:ロイター通信)
silver bullet:特効薬
ワクチン開発にかかわらず、東京五輪の開催は難しいということでしょうか。真意の程は図りかねます。 それでは、「今週のニュースな英語」は「with or without」(あってもなくても)を使った表現です。
Tokyo Games will take place with or without vaccines
(ワクチンが開発されてもしなくても東京大会は開催されるだろう)
I will go with or without you
(あなたが居てもいなくても、私は行くつもりだ)
I will go with or without an appointment
(アポイントがあってもなくても、行くつもりだ)
I will go with or without your approval
(あなたの許可があってもなくても、行くつもりだ)
2020年7月に行われたNHKの世論調査では、東京五輪を「中止すべき」「さらに延期すべき」と回答した人は66%に達しています。世論の後ろ盾を失いつつあるなか、新しく誕生するであろう「菅政権」はどう判断するのでしょうか?
相次ぐIOC幹部の発言は、交渉で優位なポジションを確保するための計算し尽くされた「揺さぶり作戦」だと思えてなりません。(井津川倫子)