【コロナに勝つ! ニッポンの会社】新たな防護服は「宇宙服」!? 医療用と見舞い用を開発

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   大型テント構造物などの太陽工業株式会社(東京都世田谷区、大阪市)は、長年扱ってきた膜モノ技術を生かして、新型コロナウイルス対策の新たな防護スーツ「メディコン」を開発した。2020年9月10日の発表。

   従来の製品にはない快適性を備えており、特許を出願中。医療従事者と合わせて、病院・福祉施設の来客者用を備えた。

  • 宇宙服のような「メディコン」(医療従事者用の1型・左と「お見舞い用スーツ」の2型)
    宇宙服のような「メディコン」(医療従事者用の1型・左と「お見舞い用スーツ」の2型)
  • 宇宙服のような「メディコン」(医療従事者用の1型・左と「お見舞い用スーツ」の2型)

エアファンの装着で快適性確保

   太陽工業の「メディコン」は、映画やテレビドラマのSF作品に登場する宇宙服のような外観で、素材には耐水性や耐候性に優れたPVC(ポリ塩化ビニル)コートの膜剤を採用した。使用後の洗浄やメンテナンス体制も準備し、繰り返し利用できる防護服を実現した。

   医療現場でスタッフが着用する防護服は、通気性が良好とはいえず、熱もこもるため暑さと息苦しさで、働く環境は過酷になる。太陽工業では「メディコン」の開発にあたり、医学専門家や医療現場の意見を反映し、飛沫感染への対策を徹底しつつ、着心地にも配慮。服の背中に抗菌シートを内蔵したエアファンを装着してスーツ内に新鮮な空気を常に送り込み、着用時の快適性を確保するようにした。

   頭部を覆うパーツに備えた空気排出口には、空気清浄機で使われている高性能なHEPAフィルターを設置。着用者の飛沫核を漏らさないようになっている。

   太陽工業では、新型コロナウイルスの感染拡大が続いていた今年4月にプロジェクトをスタートして新しい防護服の開発に着手。誕生した「メディコン」には、主に医療従事者向けに考案された「1型」に加えて、「見舞い用スーツ」として「2型」が用意された。

「お見舞い用スーツ」の2型には、空気排出口にHEPAフィルターを装着
「お見舞い用スーツ」の2型には、空気排出口にHEPAフィルターを装着

   2型では、1型の機能に加え、スーツの空気排出口にHEPAフィルターを装着。訪問者が自覚がない感染者であった場合に備え、施設内に飛沫核が漏れない配慮が施された。

   2型の見舞い用スーツは福祉施設での試験導入が決定しており、同社では「人生の節目に立ち会える環境を検討するうえで一助になればと考えている」としている。

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