みなさん、こんにちは。馬医金満です。
毎日暑い日が続いています。こんな時には、冷たいものが恋しくなりますよね。そんなことで、今回はイオングループのコンビニエンスストア「ミニストップ」の新規事業であるソフトクリーム専門店「ミニソフ」を取り上げます。
コンビニの「ドミナント戦略」はもう限界
コンビニ業界は全国に5万5000店舗が展開し、すでに飽和状態になっているといわれています。これまでは少子高齢化や世帯人数の減少などを背景に、店舗数や売り上げを伸ばしてきましたが、2019年12月末、ついに店舗数が減少に転じました。
人口減少からくる客数の伸び悩み、人件費の高騰などもコンビニ業界のマイナス要因として挙げられます。
コンビニでは「ドミナント戦略」(チェーンストアが地域をしぼって集中的に出店し、地域内の市場占有率の向上を目指す経営)といわれる戦略を敷き、すでに出店している競合店の近くに出店することで店舗数を増やして全体のコストダウン、売り上げアップを狙うビジネスモデルでしたが、この戦略にも限界が来ているようです。
そのような市況の中で、業界4位のミニストップが、ブランド戦略を打ち出しました。
ミニストップといえば、ソフトクリームやオリジナルスイーツの「ハロハロ」などをはじめとする店内の加工フードのイメージが強いため、そうした一般に定着した「カラー」を最大限に活用するためか、このたび新業態としてソフトクリーム専門店「ミニソフ」を立ち上げたのです。
現在、東京都内近郊をはじめ、京都、名古屋、大阪など11店舗を出店しており、早期に100店舗の出店を目標として掲げています。
ミニストップのスイーツは高級路線
ミニストップはここ最近、戦略を練り直しており、出店については採算の見直しを行い、この1年で237店舗を閉店しています。
その一方で、採算性の高い店舗やミニソフの出店を進めており、現在ミニストップの店舗網は1997か店となっています。
また、ミニストップのスイーツ商品の構成は、いわゆる「コンビニスイーツ」の単価としては、少し高めの500円台の商品がメインであり、かなりの高級路線であることがわかります。
繰り返しますが、コンビニも飽和状態にあります。「どこにでもある、何でもある」便利さだけで経営を維持していくには難しい時代になっています。
プライベートブランドを強化したり、他業種と連携したりするなどの特徴や、他のコンビニとの差別化を押し出すために、さまざまな方策を模索しており、ミニストップのように業態開拓に打って出るのも、そうした施策の一つとなるだろうと考えています。
では、また来週!(馬医金満)