新型コロナウイルスの感染拡大で飲食店から客足が遠のき、その分を補っているのがテイクアウトやデリバリーだ。
スマートフォンで注文から決済まで手軽にできるデリバリーは利用が増え、都市では宅配サービスの配達員の姿が風景の一部になっているほど。これに対し、食事の宅配専門会社やデリバリーシステム運用会社などが提携し、独自のネットワーク作りに乗り出している。
ライドオンエクスプレスと三菱地所系が提携
「銀のさら」や「釜寅」など宅配専門のチェーン店などグループとして運営している株式会社ライドオンエクスプレスホールディングス(東京都港区)と、飲食店向けにデリバリーやテイクアウトなどの注文用システム提供するスカイファーム株式会社(横浜市)の両社は、業務提携し、独自フードデリバリーを運営していくことを明らかにした。2020年9月8日の発表。
スカイファームは、不動産開発大手の三菱地所が株主で、主にオフィスや商業ビルでのデリバリー向けの注文システムを提供している。この業務提携では、ライドオンエクスプレスホールディングスの宅配専門チェーンが、三菱地所グループをはじめとした大手デベロッパーが展開する都心部のオフィス、商業施設における独自デリバリーを行うことで連携を図っていく。
三菱地所グループが取り組むテナント向けデリバリーサービスでは、スカイファームが注文システムを提供しているが、これにライドオングループの即時配送や時間指定配送などのサービスが加わることで、多様な配送ニーズに対応できる。
コロナ禍で生まれた新しい生活様式で都市型消費は変わってきており、両社は今回の提携で、より高度なデリバリーが可能になることから、それをステップに新しいマーケットの開発や、独自サービスの実現を探る考え。差し当たっては、デリバリーサービス需要の高まり、利用客のニーズの多様化に応え、オフィスビルや商業施設におけるランチ、会議弁当、オードブル、ギフトなどビル施設の利用ニーズに応じたさまざまなラインナップを提供することにしている。
オフィスや商業施設をめぐるデリバリーのネットワーク化では、三井不動産の東京ミッドタウン日比谷(東京都千代田区)で9月から、オフィステナントから商業施設の飲食店に弁当をアプリで注文すると、ヤマト運輸か、お使いに行ける代表者がまとめてデリバリーする取り組み「オフィス弁当ソーシャルデリバリーサービス」が始めている。