就活史上最大のミッション!?「内定辞退」の電話をせよ!(叶多凛)

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ドキドキの本番 ミッションコンプリートを目指せ!

「あっ! もっ、もしもし! ○△□大学の叶多凛ですっ! 採用担当の△△さんはいらっしゃいますか?」

   あ、やば。緊張しすぎて、すごい早口になった。落ち着け、自分。

「採用担当の△△はわたしです。どうされましたか?」

   おおう。まさかの本人だった! 電話越しの声じゃ、さすがにわからなかったよ!

「あの...... じつは御社での内定を辞退させていただきたいと思い、連絡しました」

   よし。とりあえず、絶対に言わなきゃいけないことは言えたぞ。

「内定辞退ですか?」

   ひええええ。まって。担当者さんの声がヒヤッとした! 声のトーンが氷点下! うわあああ、ごめんなさい!

   頭の中はてんやわんやのパニック状態だが、いただいた内定を辞退するという時点で自分にもある程度の非があると思うので、甘んじて受けねばならない。

   落ち着いた声を出すことを意識して、内定辞退の理由を続けていく。内定をいただけてうれしかったし、ありがたかったという感謝の気持ちも同時に伝えた。

「わかりました。残念ですが、仕方ありませんね。今後のご活躍をお祈りしています。」

   ほっ。どうやらわたしの思いは伝わったようである。担当者さんの声にも、少しだけ熱が戻ったように感じられた。

「このようなお返事になってしまい、申し訳ありません。今までありがとうございました。」

   わたしは改めて謝罪と感謝の言葉を述べて、受話器を置いた。ふぅ。やりきった......!

   わりと長電話になっちゃったなと思いつつ部屋の時計を見上げたら、3分くらいしか経ってなかった。まあ、何はともあれ、こうしてわたしの就活史上最大のミッションは無事にコンプリートされたのである。あ~ やっぱり電話は緊張するから苦手!(叶多凛)

鈴木 修二(すずき・しゅうじ)
鈴木 修二(すずき・しゅうじ)
現在、東京都内の難関私立大に通っている3年生。現役就活生として、今まさに就職活動中の立場だからこそわかる、最近の就活の実態をつまびらかにしていきたい。
自分と同じ、来春(2021年)卒の学生には共感の場を、これから就活を控える2022、23年卒の学生には、就職活動にはびこる企業の体裁と内情の乖離を、正確に把握するための機会になれば、と思う。
そして、意中の企業に就職して、すでにキャリアを積んでいるであろうビジネスパーソンさんには、さまざまな企業の採用戦略をエンターテインメントとして読んでいただければ、うれしい。
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叶多 凛(かなた・りん)
現在、東京都心から少し離れた自然あふれる私立大学に、のびのびと通う4年生。「学部4年生×就活生」というのはいささか不思議に思われるかもしれないけど、そうワケありである。
現役就活生として、シューカツのあれこれを率直に書いていきたい。就活に励んでいる「同士」には、「あるある」と思わず膝を打つような、まだまだ就活なんて!という学生には、シューカツの一端を覗いてもらえるような。そんな内容にできればといいな、と思う。
テーマは「就活も楽しむ!」。いろいろな企業に赴き、さまざまなビジネスの話を聞くことができるのは、就活生だけの「特権だ!」と思っている。そんなふうに就活できたら、イヤな面接官も撃退できるかも。なんて考えている。
得意なのは、英語。今夏の東京五輪・パラリンピックでは、世界中から訪れる報道陣の手助けをするインターンシップにも登録。こちらも、ガンバル!
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