昨年(2019年)7月の日本の輸出規制に始まった日本と韓国の対立。韓国側が今年(2020年)、「日本に勝った、勝った!」と一方的に勝利宣言をして以来、膠着状態に入ったかに見えたが......。
日本は密かに爪を研ぎ澄ませて、鉄槌を振り下ろす機会をうかがっていたようだ。その日本の恐ろしげな影の様子を韓国紙が伝える。
「ある日本人」が次々と日本の裁判所に現れては......
日本の反撃が静かに、そして不気味に始まっていること中央日報(2020年9月7日付)が伝える。見出しからして「『韓国の素材・部品・装備国産化』の裏で笑う日本... 特許訴訟で反撃始まった」と、恐ろしげだ。
「7月(2020年)に日本のある個人がLG化学(編集部注:韓国最大手の総合化学メーカー)を相手取り、特許登録に対する異議申し立てを日本の裁判所に提起した。LG化学が登録したリチウムコバルト酸化物を含む二次電池用活物質特許と製造方法特許を取り消してほしいという内容だ。3月にはまた別のある日本人が韓国の半導体装備メーカーの高迎(コヨン)テクノロジーを相手取り特許への異議を申し立てた。この会社は半導体回路基板検査装備関連の特許を多く保有している」
こうして、「ある日本人」が次々と日本の裁判所に現れては、韓国企業の特許取り消しの異議申し立てを行っていく記述が淡々と続く。相手の韓国企業はLG化学や大手鉄鋼メーカー、ポスコなどの大企業だけでなく、韓国内でもあまり知られていない中小企業も含まれる。中央日報が調べると、半導体部品の重要な素材製造を担っていた。その特許に対する異議申し立てを行ったのだ。
中央日報が続ける。
「特許検索サイト『キーワート』などによると、今年(2020年)素材・部品・装備と関連して日本が韓国を相手に提起した特許訴訟は6件だ。昨年は4件だった。大韓弁理士会のパク・スングァン研究官は『韓国国内で発生する特許紛争が年間で通常50件程度である点を考慮すれば決して少ない数ではない』と話す」
「注目すべきは日本で提起された訴訟の大部分が『異議申し立て』形式という点だ。異議申し立ては特許無効訴訟や侵害訴訟に先立ち『特許資格がないので登録を取り消してほしい』として起こす訴訟だ。パク研究官は『異議申し立ては法人だけでなく利害関係がない個人も出すことができる。本格特許訴訟の前段階で企業がしばしば使う戦略』と話した。日本の相次ぐ特許異議申し立ては本格的な韓日『素材・部品・装備特許戦争』の序幕という話だ」
つまり、日本企業としてではなく「ある日本人」という個人が次々と「異議申し立て」をしていく様子は、本格的な「特許戦争」の前触れというわけだ。また、その陰には個々の企業だけでなく日本政府の影がちらついているという。