焚き火を囲むミーティングで連帯を深めるなど、新しいビジネス合宿の場を提供する施設が誕生し、このほどお披露目された。
群馬・北軽井沢で2020年9月に開業した宿泊型ミーティング施設「TAKIVIVA(タキビバ)」。日本最大級のキャンプ場として知られる「北軽井沢スウィートグラス」に設けられた施設で、これを利用したビジネス合宿サービス「TAKIBIcation(タキビケーション)」を提供していく。
「TAKIVIVA」を建設した有限会社きたもっく(群馬県長野原町北軽井沢)の福嶋誠代表と、企業風土・組織風土改革コンサルティング会社で、「TAKIBIcation」を行うスコラ・コンサルト(東京都品川区)の辰巳和正代表が2020年9月3日、「TAKIVIVA」のほか、オンラインを使って説明会を行った。
「TAKIVIVA」で「TAKIBIcation」する
「TAKIVIVA」は、「北軽井沢スウィートグラス」の隣接に建設された。キャンプファイヤーのような大きな火を囲む「炎舞台」と、たくさんのカマドを備え合宿メンバーが一緒に調理し食事ができる「炊火食房」、小さな火を囲みグループ別に語り合う「火野間」に、自由に過ごすことができる「シェルター」と個室の「ReGo(りごう)」――で形づくられる。きたもっくの福嶋代表によると、キャンプ場が「家族再生の場」であることに気づき、その中で大きな役割を果たしたのが、焚き火や調理で使う「火」だったことから「TAKIVIVA」の発想が生まれたという。
「火の周囲には人が集まる。ゆらぐ炎を前にすると、人は本音を話したくなる」。そして、焚き火をテーマにした施設が「社会の集団の再生の場に使えるのではないか」
と考えた。
スコラ・コンサルトは、コンサルティングの2本柱に、現場を離れて本音を引き出す「オフサイトミーティング」と、それぞれに考えや感情を持つ存在である人を重視した「プロセスデザイン」を据え、1986年の創業以来、1000社以上の企業風土改革を支援してきた。
辰巳代表によると、近年は、役員と現場の触れ合いなど「簡単ではないが可能」とする融合の実現を目指し、その機会の提供方法や新サービスの創出を模索していたという。
そうした中で、きたもっくの「TAKIVIVA」の計画を知り、両社は2020年2月、スコラ・コンサルトが「TAKIVIVA」を使った新しい形の企業研修サービスを提供することで業務提携を結んだ。その完成形のサービスが「TAKIBIcation」だ。
「『焚き火を囲み本音で話したくなる場づくり』をコンセプトとしたビジネス合宿サービス」で、焚き火をはじめさまざまな火を据えたオープンエアな空間で話し合いができる環境を提供し、対話の場全体を支援する。
当日の現地でのサポートのほか、事前準備と事後のフォローがセットになっており、研修としては「プロセスと環境を一体として提供する仕組みは、日本初のサービス」という。