きょうは40代管理職のKさんです。ここ数か月、ずうっとリモートワークが続いているみたいですね。どのように過ごされていますか?
「4月からリモートワークを続けています。月に何度か会議などで会社に行くことはありますが、チーム全員で顔を合わせることはないですね。コロナ前に比べるとみんなとのコミュニケーションが減ったため、どうしても信頼関係が築けていない気がするんですよね。この先もリモートワークも続きそうなので、どうやってコミュニケーションを増やしていこうか考えているところです」
アイデアは雑談から生まれる
会社に行っていた時間を思い出してみてください。どんな時間の使い方をしていましたか......。
会社での時間の使い方は、主に次の3つに分かれると思います。
・自分の仕事に向き合う時間
・会議などで人と顔を合わせる時間
・雑談をする時間
人とのコミュニケーションの時間としては、「会議などで人と顔を合わせる時間」と「雑談をする時間」ですね。リモートワークの中では「雑談をする時間」が圧倒的に減っていると思います。
会社から駅まで歩く時間、休憩所で話す時間、ランチを共にする時間など、会社内で偶然ばったり会って雑談の時間が生まれることもあります。雑談の時間がもたらす効果を考えてみましょう。
◆ アイデアは雑談から生まれる
「アイデアは会話から生まれる」って、聞いたことがありませんか? カチッとした会議ではなく、偶然始まった会話から、アイデアが生まれたり、ヒントを得られたりすること、ありますよね。一人の頭の中で考えるより、人との会話の中で頭の中が整理されていきアイデアとなることがあります。
もちろん、どんな雑談からでもアイデアが生まれるわけではありません。例えば、誰かの噂話のようなことは直接アイデアに繋がることは少ないでしょう。普段から常にアンテナを立て、自分の中にアイデアを持っていることが前提です。雑談の中で頭の中のアイデアがまとまり、さらに人と言葉で共有することで具体的になっていきます。
それに雑談をしていると、いざとなった時に相談がしやすくなります。ビジネスで「報・連・相」は大事なのはわかっていても、普段あまりコミュニケーションを取ってない人に、いきなり相談するのはハードルが高いと感じる人も多いのではないでしょうか。相談のハードルを下げておくには、雑談は有効といえそうです。
このように、雑談は信頼関係の構築にも役立ちますが、ではこれをどうやってリモートワークに活用していくか、そこが問題です。
リモートワークでは意図的に「雑談」の代替手段をつくる
◆ 雑談の時間を作ることもマネジメントの一つ
これまでは上司と部下が一緒に取引先に行ったり、アポイント先を周ったり、行き帰りに会話、振り返りの時間を取っていたと思います。決して、その時間をサボる時間や休憩時間とは思わなかったでしょう。
そういうことからも、まずは部下同士がたまに会社で顔を合わせて話している姿を見ても「サボっている」とは思わない、雑談の時間だと大目に見ることも必要です。
また、1対1で話すフォローの時間などを意図的に設けることも大事だと思います。オンラインで複数人の会議の後にでも、少し時間を作ってみてはどうでしょうか。
私はアポイントの後は喫茶店でケーキを食べながら、フォードバックしてもらいながら仕事以外の話もしていました。オンラインだと残念ながらケーキはありませんが、フィードバックの時間を設けることで、信頼関係は築けていけると思います。このように、リモートワークでは意図的に雑談の代替手段をつくる必要があります。
◆ ヒントを与える、きっかけを作ることも
オンライン会議などでなかなか意見を言わない部下がいたら、日頃から考えるクセをつけるために宿題を出すのも一つに方法です。出しっぱなしだとそのままになってしまうので、後日に声をかけて確認してみましょう。日頃からアンテナを張るよう、仕向けるわけです。ただ、すべて教えてしまっては部下の成長は止まってしまうので、最初はヒントを与えながら、進めます。
たとえば、部下にいろんな部署との関わりを持ってほしいと思ったら、他の部署の人とのオンラインの場の設定をするなど、最初のサポートは必要かもしれません。リモートワークの中でのコミュニケーションのきっかけ作りもマネジメントの一つといえるでしょう。
リモートワークには正解はありません。今後も環境はどんどん変化していく中で私たちは変化に適用していかないといけません。リモートワークにおけるコミュニケーションの取り方を、Kさん一緒に見つけていきましょう。(ひろ子ママ)