新型コロナウイルスの感染拡大で、必須の予防アイテムになったマスク。素材が多様化するとともに、定番の「白」からカラーやデザインも多彩になり、個性を表現する小道具にもなっている。
そうしたなか、葬儀に着けるべきマスクは白か黒か――という論争がにわかに激しくなっていた。、そんな争いに、名古屋市の葬儀会社が収束に向けて動いた。
ネット民も「なるほど」とうなづける結論
インターネット上で巻き起こった「葬儀に着けるべきマスクは白か黒か」論争に、ツイッター見解をつぶやいたのは、創業83年目を迎えた西田葬儀社。同社の2020年9月3日の発表によると、投稿のきっかけは、「『葬儀は黒マスク着用がマナー』という情報がインターネット記事やSNSで大いに拡散。複数の葬儀社の見解をただすメディアもあり、さまざまな議論が過熱」しているのをみて、「葬儀のプロとしては、情報を捨て置けなかったから」という。
同社は投稿で、
「葬儀に黒マスクをする必要はありません。白マスクでご安心ください。そもそも葬儀が黒という考えは、ほんの100年前に外国をまねたもの。古来からの日本の葬儀の色は白です」
と、寄せた。
西田葬儀社では、黒マスク着用の主張について、コロナによる不安のうえに、葬儀でのマナー不安を煽ることになりよくないと考え、「葬儀社がこの話題が切り込みました」という。
日本の葬儀では「新生」や「再生」を意味する白が基調の色。葬儀で「黒」が用いられるようになったのは、明治維新以後に流入するようになった海外文化の影響とのことだ。
ネットでは、同社がツイッターで発表した「見解」にうなずく人が多かったようで、どうやら論争も収束に向かったようだ。
新型コロナウイルスの感染拡大が始まった4月ぐらいから、葬儀会社や法事の会場となる寺などに、仏事でのマスク着用に可否についての問い合わせが寄せられるようになった。マナーを気にしてのことだが、回答は共通しており、体調がすぐれないときや、マスクが必要とされる状況のときは「着けるようにしてください」としていた。