【企業分析バトル 第4戦】重油が流出したバルク船の運航主・三井商船株は「買い」なのか!?(早稲田大学)

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商船三井は利益の安定性に欠く

   三井商船を、ここまで見てきましたが、株式の購入については見送りたいと思います。理由は、市況に大きく影響を受ける企業であるためです。

   海運は、市況に強く影響を受ける業種です。経済が不況に陥る、または政治的な問題により貿易が停滞することになれば、売上高は急激に落ちます。その影響は大きく、実際この10年間においても複数年、損失を計上しています。

   また、一般的な製造業などの企業であれば、需要に対して供給を調整することによって弾性的に対応することができますが、海運業は船舶を用いており、船舶の製造に年単位でかかり、売却しようにもすぐには売れません。そのため、需要に対して非弾性的になってしまいます。

   これが、海運業の市況への脆弱性を高める一因です。これは、航空輸送でも同じことで、巨額の赤字を出している日本航空(JAL)やANAホールディングスを見ればわかりやすいと思います。

   海運業は不確実性に大きくさらされている企業です。私は株を選定する際は、利益の安定性を一つの軸としています。商船三井は利益の安定性に欠いています。したがって、購入を見送りたいと思います。

   今回は、収益安定性の欠如を理由に購入を見送りましたが、先ほどのOcean Network Express社を筆頭に、船舶運用の効率化やコスト削減が進行、そして定期運航船を積み増して不確実性を排除すれば、安定した利益を生む可能性は十分にあると考えるので、企業の将来に期待したいです。

商船三井(9104)
年初来高値(2020年1月20日)    2994円
年初来安値(2020年3月17日) 1487円
直近の株価(2020年8月31日)    1963円
取得株数               な し

参考文献
・ IRニュース,商船三井 https://www.mol.co.jp/ir/data/news/index.html
・ 当社の運航船 座礁および油濁発生の件(商船三井) https://www.mol.co.jp/pr/2020/20046.html

【株式取引ルール】
月200万円を上限に最低1銘柄(企業)を選ぶ、バーチャル投資です。
投資対象は、新興市場を含む上場企業の現物取引です。
1年間のトータルで損益を競います。
プロフィール
早稲田大学 AM
基幹理工学部3年。資本主義では資本家が頂点にいることを察し、またインフレリスクを回避するため、消極的に株式投資をはじめる。趣味は読書、料理とバイト代で株を買うこと。資本主義における株式の力を強く信じており、その力に魅了されている。
好きな言葉は「Be Fearful When Others Are Greedy and Be Greedy When Others Are Fearful.」。東京都出身。
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