一括投資はコロナ禍では損が出やすい状況だった
調査は、対象とした182本の投信について、(1)「2018年1月末に30万円で一括投資した場合」と、(2)「同月末から30か月間、月1万円ずつ積み立てた場合」とを、分配金の再投資なども考慮したうえで、20年6月末時点での収益率を比べた。
その結果、平均利回りは(1)一括投資のリターン率がマイナス1.73%、(2)積み立て型のリターン率がプラス1.21%だった。
18年1月は日経平均株価が2万3000円台と比較的高かった一方、今年6月末は新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり株価が乱高下していたため、一括投資は損が出やすい状況にあった。
投信別にみると、対象の75%にあたる136本で、積み立てのほうが、利回りが高かった。たとえば日経平均株価に連動した上場投信(ETF)では、一括投資は1.23%、定額積み立ては4.56%と差が出た。また、MSCI ACWI Indexを対象としたETFでは、一括投資がマイナス0.46%だったのに対し、積立投資は2.56%の利回りだった。
一方、一括投資のほうが好成績だった投信もゼロではない。米国の大型株500銘柄(S&P500)に投資するETFの利回りは、一括投資が10.49%、定額積み立てが7.02%で、一括投資が積立投資を上回っていた。好調な米国株を反映している。