ポスト安倍に急浮上した菅官房長官の「スガノミクス」に期待できるか? 経済シンクタンクの予測を読み解くと――(2)

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「アベノミクス」に一番近いのが「スガノミクス」

新政権になってどうなる日本経済?
新政権になってどうなる日本経済?

   そんななか、9月1日現在、次期首相として菅義偉官房長官が本命視される状況になっている。早くも「スガノミクス」という用語を使って、次期政権の経済政策課題を分析しているのが、第一生命経済研究所の主任エコノミスト、藤代宏一氏だ。

   8月31日付のリポート「アベノミクスに近そうなスガノミクス 生産は自動車中心にリバウンド」の中で、次期首相候補と目される人々の経済政策の差を、こう比較している。

「後任が誰であろうと、金融政策の枠組みが大きく変わることはない。日銀の黒田総裁体制(任期2023年4月)が継続する限り、『金利』『量』『質』の何れも変化が見込まれない。コロナ禍によって発生したマイナスの需給ギャップが残存し、強いデフレ圧力が過ぎ去るまで金融政策を変更する理由に乏しい。仮にタカ派的な新首相が日銀に圧力をかけ、出口戦略の着手を促すなどして金融市場が崩れてしまえば、新首相の打撃となる。そこまでのリスクを負って金融政策への支配力を強めるとは考えにくい」

というわけだ。

   しかし、「財政政策」では個性が出るという。

「一方、財政政策では、後任次第でやや緊縮気味になる可能性がある。石破茂氏と岸田文雄氏の過去の発言が、アベノミクス対比で緊縮的な印象である。これは市場関係者のコンセンサスだろう。もっとも、両氏の発言は消費税の引き上げ反対や減税についての見解を述べる文脈で発した『財政再建が重要』といった趣旨のものが多く、そうしたスタンスがコロナ禍対応でどう変化しているかは不明確だ。一般的にイメージされているほど緊縮派ではない可能性もある」
「それに対して菅義偉氏は、アベノミクス踏襲との印象があり、上記2名との対比で景気刺激的な色彩が強い」

   3人の中では一番「アベノミクス」に近く、それが「スガノミクス」というわけだ。

(福田和郎)

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