【コロナに勝つ! ニッポンの会社】デジタル地域通貨、ウィズコロナ時代の「非接触」に有効 長崎・南島原に導入

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   新型コロナウイルスの感染拡大で、地域の飲食店のテイクアウトやデリバリーを支援する動きが活発化している。ウィズコロナの時代の「新しい生活様式」に伴い、地方銀行と地元自治体が連携して、デジタル地域通貨を目指す動きもその一つだ。

   フィンテック事業を展開する株式会社フィノバレー(東京都港区)は、ふくおかフィナンシャルグループ(福岡市)と十八銀行(長崎市)、親和銀行(長崎県佐世保市)と、長崎県南島原市を対象としたデジタル通貨事業について検討を始めるとことを明らかにした。基本合意書の締結を2020年8月28日に発表した。2021年2月のサービス開始を目指す。

  • 「非接触」の効果に期待! デジタル地域通貨を導入(写真は、島原城)
    「非接触」の効果に期待! デジタル地域通貨を導入(写真は、島原城)
  • 「非接触」の効果に期待! デジタル地域通貨を導入(写真は、島原城)

納税はじめ地域活性化に

   フィノバレーは、O2O(Online to Offline=オンライン・トゥー・オフライン)マーケティング事業を行っている株式会社アイリッジが、デジタル地域通貨事業の拡大、成長の加速を図ることを目的として、会社を分社化。フィンテック子会社として2年前に設立した。フィノバレーは、デジタル地域通貨プラットフォーム「MoneyEasy」(マネーイージー)によるサービス提供の事業を展開している。

   このプラットフォームは、スマートフォンアプリと2次元コード(QRコード)をベースに、短期間で安価にデジタル地域通貨サービスを開始できるシステム。アプリを使ってチャージや決済ができ、支払いは店舗の備え付けのQRコードを読み取るだけなので、店舗側での初期投資や手間がいらない。

フィノバレーのデジタル地域通貨プラットフォーム「MoneyEasy」
フィノバレーのデジタル地域通貨プラットフォーム「MoneyEasy」

   フィノバレーによると、地方自治体のあいだではキャッシュレス決済の中でもデジタル地域通貨が、地元経済の活性化施策に活用しやすい特長を持つことから、ウィズコロナの地域経済の活性化策として需要が高まっている。

   新型コロナウイルスの感染拡大で、飲食店のテイクアウトやデリバリーを支援しようと、自治体の中には補助金を組み込んだ磁気カードを地域通貨として推進する動きがみられた。コロナ禍の収束がみえず長期化するなか、「新しい生活様式」による非接触やキャッシュレスの利便性を求める動きが深化。地銀と自治体が連携してデジタル地域通貨を目指す試みも現れた。

   「MoneyEasy」を使ったデジタル地域通貨はすでに、岐阜県飛騨高山地域の「さるぼぼコイン」や、千葉県木更津市の「アクアコイン」があり、行政との連携やデジタルトランスフォーメ―ション(DX)支援で実績を挙げ、単なる決済手段の合理化にとどまらず地域活性化のソリューションとして成果を結んでいる。

   南島原市のプロジェクトでは、行政ポイントの受け皿としての活用や、地域の情報インフラ、行政システムのデジタル化ツールとしての活用も視野に入れ、デジタル地域通貨サービスを通じて同市の活性化施策を探る予定。納税などでも使えるようになるという。

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