「親日」を暴くのが使命だった秘書官がレクサスを3台も
朝鮮日報が今回、怒りを込めて報道するのには理由がある。5か月前にも文大統領の元首席補佐官が日本の高級車を所有していたことが明るみに出て大問題になったばかりだからだ。「まったく反省していないではないか!」というわけだ。
5か月前、朝鮮日報(2020年3月26日付)は「『親日剔抉(テッケツ)』元青瓦台秘書官、レクサスなど車3台所有」という見出しでこう報道したのだった。ちなみに「剔抉」(テッケツ)とは「悪事や欠点を暴き出す、えぐりだす」という非常に強い意味を持つ言葉だ。
「政府公職者倫理委員会が3月26日に公開した『定期財産変動申告内訳』によると、総選挙で与党・共に民主党の比例代表候補として出馬した崔康旭(チェ・ガンウク)元青瓦台(大統領府)民情首席秘書官は、選挙前の財産申告で排気量4600㏄のトヨタレクサスを3台も所有していることがわかった。チェ・ガンウク元秘書官は同日、選挙に向けたフェイスブックに、『韓国よりも日本の利益に便乗する群れをえぐり出すこと。それこそ私が選挙に臨むにあたって誓う最高の目標だ』と書いていた」
朝鮮日報(8月29日付)が続ける。
「チェ・ガンウク氏は2018年9月に首席秘書官に任命され、今年4月の総選挙直前まで11年6か月間にわたり青瓦台にいた。日本製品の不買運動を主導していた。チェ・ガンウク氏は以前、『日本の利益に便乗する群れをえぐり出す(剔抉)のが目標だ』と発言していた。このため、『親日清算』を叫ぶ同氏が日本の高級乗用車に乗っているのは妥当なのか、と指摘する声が上がった」
こうした批判があったにも関わらず、チェ・ガンウク氏は与党・共に民主党の圧勝の波に乗って当選した。
ちなみに、3月に公開された「定期財産変動申告内訳」では思わぬ人物の「日本車好き」も暴露されてしまった。韓国外交部(外務省)の康京和(カン・ギョンファ)長官(外相)の夫であるイ・イルビョン元延世大学教授だ。イ・イルビョン氏は大のオートバイ好きで、ホンダのバイクCB400SFを含め、日本製バイクを3台所有していた。しかし、明るみに出てから全部手放してしまったという。
(福田和郎)