【株と為替 今週のねらい目】安倍首相辞任の波紋は? コロナ禍に米中対立と波乱要因が山積(8月31日~9月4日)

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東京外国為替市場 安倍首相「後任決定まで執務継続」で混乱回避へ

ドル・円予想レンジ:1ドル=104円50銭~107円00銭

   2020年8月28日(金)終値 1ドル=106円55銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの下値固めの展開か。予想レンジは、8月11日週から変わりなし。

   前週のドル円相場は、ドルが弱含みの展開となった。米国での新型コロナウイルスへのワクチンや治療薬の進展、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が一時的な2%を超えるインフレを容認する姿勢を示したことで、米長期金利が上昇。それによりドル買い・円売りが活発化した。ドルは一時107円近くまでドル高・円安が進んだが、安倍晋三首相の辞任を受け、リスク回避のドル売り・円買いが活発化し、加えて7月の米個人消費支出などが市場予想を下回ったことから、1ドル=105円前半まで急落した。

   今週のドル円相場は、ドルの下値固めの展開となりそうだ。安倍首相の辞任を契機に加速したリスク回避のドル売りは一服。安倍首相が、後任の首相が決定するまで執務を継続することで大きな混乱は回避するとみられることや、政策に大きな変更はないとの見方が強いこと、パウエルFRB議長が長期間にわたり低金利を堅持する一方、一時的に2%超の物価上昇を容認する姿勢を示したことで、米長期金利が上昇傾向にあることで、ドル買いをサポートしそうだ。

   ただ、米国の雇用統計など重要指標の発表が予定されており、その結果次第ではドルの下値を探る展開になる可能性もある。

   経済指標は、国内では31日に7月の鉱工業生産、8月の消費動向調査、9月1日に7月の完全失業率と有効求人倍率、4~6月期の法人企業統計、8月の自動車販売台数などが予定されている。

   海外では、31日に8月の中国製造業PMI、1日に8月の米国ISM製造業景況指数、2日に8月の米国ADP雇用統計、3日に7月の米国貿易収支、4日に8月の米国雇用統計などの発表が予定されている。

(鷲尾香一)

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