まるでコロナ禍を想定していたかのような間取り
まるで新型コロナウイルスがもたらした「ウィズコロナ」の時代を想定していたかのような間取りだが、じつは「コロナ仕様」ではない。
住生活研究所の河崎所長は、
「コロナ禍で用途が具体的になりましたが、すべてはそれ以前から提案されていました。ライフスタイルの変化で書斎のスペースは昔からニーズがありましたし、家の中でカラダを動かせる仕掛けも要望があったんですよ」
と話す。
「子育てファミリーの家 小林さんち。」をみると、35歳の共働き夫婦と小学校1年生の長女、保育園に通い始めた長男という4人暮らしをイメージ。特徴は1階の、柱のない「大空間」。玄関を入るとすぐに、子どもの遊び場兼用のピットリビングと広々とした「ファミリー スイート」が。シンクと電磁調理台がそれぞれアイランドになったキッチン、ダイニングスペースは、外にウッドデッキで作られたダイニングガーデンとつながっている。
「ファミリー スイート」は住生活研究所の提案で、従来の「LDK発想」から脱却し、家族が思い思いに過ごしながらもつながる「新しいリビングのあり方」を、コンセプトに設計した。
子ども用の学習スペースの前には黒板があり、子どもからの質問に両親が「先生」となって答えることができる。キッチンの奥には、夫婦2人が同時に使えるワークスペースを用意。子どものために出勤できないときも、在宅で勤務できるよう工夫されている。
なお、積水ハウスの「住まいの夢工場」は「住まいのテーマパ―ク」として、関東(茨城県)のほか、東北(宮城県)、静岡県、関西(京都府)、山口県の全国5か所にある。