企業の人手不足感は大幅後退 コロナ禍前の5割から3割前後まで減少

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コロナ禍の4月以降の人手不足、30%前後で推移

   人手不足の状況を非正社員でみると、企業の16.6%が「不足」(「該当なし/無回答」を除く)していると回答。前年同月と比べて13.2ポイント減り、2013年2月(16.6%)の水準まで減少した。

   「適正」は 62.2%(前年同月比0.4ポイント減)で、ほぼ横バイとなった一方で、「過剰」は21.2%(13.5ポイント増)となり 大きく増加している。

   業種別にみると、スーパーマーケットを含む「各種商品小売」が47.6%で最も高かった。次いで、「教育サービス」の43.5%(7.8ポイント増)が続き、正社員と同様に増加している。「家具類小売」も40.0%(5.5ポイント減)と40%台。また、「飲食店」(38.6%、41.4 ポイント減)や「飲食料品小売」(37.1%、26.5ポイント減)、「メンテナンス・警備・検査」(36.7%、18.1ポイント減)、「医薬品・日用雑貨品小売」(33.3%、14.5ポイント減)、「娯楽サービス」(33.3%、27.8ポイント減)などが 30%を超えていた。

   これまで人手不足の割合が 1位で推移してきた「飲食店」は、今年1月時点の76.9%から、緊急事態宣言が発出された4月に大きく減少して16.4%となり、この間 60.5ポイントの急減となった。緊急事態宣言の解除後は少しずつ客足が戻ったこともあり、7月は51業種中4番目に人手不足感が高まった。

   新型コロナウイルスの影響で人手不足感が大きく後退した一方で、人手が「過剰」としている企業の割合は増えている。業種別にみると、「旅館・ホテル」が正社員・非正社員ともにトップで、「飲食店」も上位。また自動車需要の落ち込みで、「輸送用機械・器具製造」も 人手が過剰な割合が正社員、非正社員とも50%前後に増加した。

正社員・非正社員の不足割合 (月次推移)
正社員・非正社員の不足割合 (月次推移)

   人手不足の割合を月次の推移でみると、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で緊急事態宣言が発出され、経済活動が停滞した4月に、正社員の人手不足感は大幅に後退した。緊急事態宣言が続いた5月もさらに減少。緊急事態宣言の全面解除を経て、6月以降も3 割前後で推移している=左図参照

   非正社員も、4月以降はほぼ横バイが続いている。業種による差はみられるものの、

「営業案件が減り、人手が余ってきている」(労働者派遣、大阪府)

といった声がある。

   帝国データバンクは、「新型コロナウイルスの影響で、50%前後で推移していた人手不足の割合は30%まで減少した。しかし、企業からは『どの程度まで業務量が回復するかわからないが、潜在的にある人手不足は解決していない』(塗装工事、大阪府)といった声があり、新型コロナウイルスが収束に近づき業務量が増加する過程で、再び人手不足に陥るケースも想定される」とみている。

   なお、調査は2020年7月16日~31日に実施。対象は2万3680社で、有効回答数は1万1732社(回答率49.5%)だった。雇用の過不足状況に関する調査は2006年5月から毎月実施している。

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