外国人留学生の85%超が「厳しい」
内定率が悪化している原因のひとつ、外国人留学生が就職活動を開始した時期をみると、「4年生の4月」が17.2%で最多。次いで、「3 年生の3月」(13.4%)となった。採用広報の解禁にあたる3月以降を合わせると、47.2%と約半数。「6月以降」も12.5%あり、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、就活のスタートが遅れた留学生もいるようだ。
一方、日本人学生では「3年生の6月」が最も多く24.7%。採用広報の解禁の3月より前の合計が96.6%と、9割を超えている。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響とともに、外国人留学生は日本人学生と比べて就活の動き出しが遅いことがわかった。
また、外国人留学生の調査時点(7月)でのエントリー社数は、平均22.5社。日本人学生の29.2社より、6.7社少ない。ただ、エントリーシートの提出社数や筆記・WEB試験の社数は、日本人学生をやや上回る。外国人留学生が志望企業を絞ったうえで精力的に活動している様子がうかがえる。
今年はコロナ禍の影響で、就活のオンライン化が進展。WEBセミナー経験率は90.8%、視聴社数は平均12.8 社にのぼる。WEB面接の経験率は74.9%を占める。受験社数は平均7.0社だった。
自身の就活の難易度を聞いたところ、外国人留学生からは、
「コロナによる採用中止の連絡が多くの企業から来ていますが、もうエントリーの時期はすぎてどうしようもないです」(中国出身)
「会社に入るには、日本語力だけでなく、協調性やコミュニケーション能力、会社に対する熱意など様々なことが求められていますので、厳しいと思います」(中国出身)
との声があがった。
外国人留学生は「とても厳しい」の44.9%と「やや厳しい」の40.2%を合わせた85.1%が「厳しい」と回答。一方、日本人学生は59.8%(合計)が「厳しい」と答えており、多くの外国人留学生にとって、かなり厳しい就職戦線であるといえそうだ。