「おもしろい映像」を使った別の事例
ロマリンダ大学のパークらの研究で、この実験では1時間ほどのおもしろい映像を参加者たちに見てもらいました。その前後と12時間後の血液をとり、笑うことが身体にどんな関係があるのか、調べたというものです。
この結果、おもしろい映像を見ると、血液中のさまざまな成分がポジティブな反応を示すことがわかりました。「免疫力がアップした」というのです。
「興味深いのは、視聴から12時間後でも免疫力が上がっている、という結果になったことです。笑いの効果は持続性があるようなのです。考えてみると、古代から『喜劇』はありました。日本でも能楽のもとである『猿楽』はものまねで構成される喜劇です。どんな過酷な時代も、笑うという手段を通してストレスを緩和させ、それぞれの時代を上手に乗り越えてきたのではないでしょうか」
と、堀田さん。
まじめに何かに取り組むことは大切です。しかしバカバカしいことで笑うのも必要だと、これらの研究結果は示唆しています。パフォーマンスをアップさせるためにも、大笑いしてガス抜きをする必要性がありそうです。
本書の著者は、明治大学の堀田秀吾教授。世界中の脳科学、心理学、医学などさまざまな研究結果から、最適な行動をとる方法が紹介されています。(尾藤克之)