「アベノミクス効果」は持続する?
安倍首相の辞任に、日興アセットマネジメントのチーフ・ストラテジスト、神山直樹氏は、
「第一次安倍内閣での安倍氏辞任の発表では、株価は外部環境につられ、その後しばらく上昇しておりインパクトはありませんでした。今回は当時に比べ安倍氏の重要性は高いと思われるものの、実際にはコロナショック後の対応で個性を発揮することは難しく、支持率低下もあって、センチメントが落ち着けば経済や市場への影響は限定的と考えます。
アベノミクスで知られ他国に比べ安定した政権が続いたことから、外国人投資家にはネガティブな印象を与えると思いますが、買いがしばらく細る恐れはあるものの、長期的な売りを招くとは考えません。次の政権ができるまで、模様眺めとはなりそうです」
と、コメントしている。
また、マネックス証券チーフ・ストラテジストの広木隆氏は、
「(安倍首相辞任が株価に与える影響は)限定的なものにとどまるだろう。『アベノミクスの終焉』を材料にした売りは、きょうの初動で出尽くしたか、週明けに海外からの売りがあっても短期で収束するだろう。
その理由は、日本の株式市場を動かす要因の大半はグローバルな経済環境であり、日本の政権が変わってもグローバルな経済環境への影響は大きくないからである。無論、政治や政権の安定は株価の材料になる。ただ、あくまでもその政権、政府による政策が経済をどう動かすかを市場が評価して株価が動く」
とみている。
「安倍首相辞任」は、株価にとってプラス材料でないのは確かだが、影響は限定的。焦点は「ポスト安倍」に移るが、衰えてきたとはいえ「アベノミクス」の効果から、財政や金融などの政策は踏襲されるとの見方が支配的で織り込み済み。そうなると、株価にとって気になる材料は外国人投資家の動向にありそう。
まずは、週明けの東京株式市場に注目だ。