大丸松坂屋「おせち」コロナ対応は「暑い」うちから
新型コロナウイルスの感染拡大で自粛ムードが広がり、飲食業界や小売業界はひときわ強い打撃を受けた。
ウィズコロナの中で続く「巣ごもり」生活をとらえて、百貨店の大丸松坂屋(東京都江東区)は年末年始の「おせち」需要をターゲットに、準備を万端にして臨もうと早くもセールスに動き始めている。
「2021年大丸松坂屋のおせち」を、9月24日14時からオンラインで予約の受付を開始する。8月26日に発表した。同社のおせちは毎年売り上げを伸ばしており、またコロナ禍ではオンラインによる有名グルメの取り寄せが好調とあって、厳しい残暑の中での「おせち」告知となった。
大丸松坂屋によると、直営9か店のおせちの売り上げは、ここ10年で約2割増と確実に伸びている。「定番のおせちにとどまらず、おつまみ風おせちや肉、鍋料理など『年末年始のご馳走』ニーズに幅広く対応」する戦略が奏功した。
コロナの影響が残るとみられる2021年正月は「お取り寄せグルメが好調であることや、デパ地下の客単価増からもうかがえる、高価な食へのニーズの高まりから、デパートのおせち需要はさらに高まると見ている」という。
大丸松坂屋では、5月7日に営業を再開。それ以来、大丸東京店地下食品売り場の総菜弁当は、お客1人当たりの購入単価が前年比10%以上アップ。「外食を控えている今、デパ地下では贅沢なもの、高価なものをお求めになる傾向にある」とみている。また、同社のオンラインショッピングでは、取り寄せのグルメが好調で前年比2倍以上になっているという。
こうした状況から、おせちなど年末年始の「グルメ商戦」では、料理研究家で人気ブロガーのYuuさん監修の「和・洋・中華風三段おせち」などの「プラスアルファスペシャルメニュー」を用意して臨む。