「銀河鉄道999」をもじった「平和鉄道111」の選挙遊説隊
もう一つ、「銀河鉄道999」のケースを紹介するのは、朝鮮日報(2020年8月20日付)の「『親日清算』掲げる共に民主党、2年前に日本の『銀河鉄道999』コスプレ」という見出しの記事だ。ちなみに「銀河鉄道999」は松本零士作の雄大なスケールのSF漫画。テレビアニメは1978年~1981年にフジテレビ系で放映された。韓国でもそのままの名前「銀河鉄道(ウナチョルド)999」として放送されている。
朝鮮日報はこう報じる。
「与党・共に民主党は今年8月15日の光復節(韓国の独立記念日、日本では終戦記念日)以来、『親日清算』『土着倭寇撲滅』を連日叫んでいる。こうした中、共に民主党の議員たちが日本原作のアニメ『トクスリ5兄弟』(原題・科学忍者隊ガッチャマン)に続き、『ウナチョルド(銀河鉄道)999』を広報の素材に使っていたことがわかった」
共に民主党の鄭清来(チョン・チョンレ)氏ら3人の議員は2018年5月「銀河鉄道999」の登場人物たちに扮(ふん)した。3人は、地方選挙を1か月後に控えて発足した「銀河鉄道999」をもじった広報遊説団「平和鉄道111」のメンバーだった。
日本アニメの「銀河鉄道999」を党の広報活動に使ったことについて、当時、共に民主党の秋美愛(チュ・ミエ)代表は、こう語っていた。
「銀河鉄道999が天の川を超えて明るい光の海へと出ていくように、共に民主党の平和鉄道111に全国の子どもたちが手を振って拍手をしてハートのジェスチャーを見せてくれるはず。平和の気運とメッセージを乗せて全国各地に届けてほしい」
朝鮮日報はこう結んでいる。
「しかし、共に民主党は『銀河鉄道999』を党の広報手段として1年以上活用した後、昨年夏、『親日清算』を振りかざし始めてから使わなくなった。ところが最近、共に民主党の5議員の『トクスリ5兄弟』(日本名・科学忍者隊ガッチャマン)になぞらえたポスターが話題になった」
そして、レコードチャイナ(8月22日付)によると、韓国のネット上ではこんな批判の嵐が起こったのだった。
「『あのアニメが日本のものと知らなかったのかも』という擁護の声もあるが、ごくわずかだ。大半は『そんなに日本のことが好きなのに、反日?』『偽善者集団の民主党こそ清算すべき』『他党の議員が日本のキャラクターの靴下を履いただけで、あれほど叩くくせに』『主体性のない反日扇動は支持率アップのためのショーだったのか?』などと厳しい声が見られた」
(福田和郎)