「日本の求人事情をいちばん知っている」
この「日本の求人事情について、いちばん知っている」ことが、新型コロナがもたらした社会の変化の中で、非常に有意義なことがわかり、このことがまた、カミングアウトをする加藤社長の背中を強く押した。
コロナ禍で業種により差があるものの、さまざまな業界にダメージをもたらし、雇用や求人への影響が注目されている。そうしたなかでゴーリストが持つデータや情報は他にはないもので、そのことが顧客である企業を通じて知られるようになり、グンと引き合いが高まった。
経済産業省など官公庁や政府系機関、金融機関からの問い合わせが増加。「コロナで雇用がどうなっているのか、地方の求人はどれだけ減っているのかというのを知りたいと詳細なデータを求められています」と加藤社長。約300ある国内の求人情報媒体の掲載情報を定期的に巡回収集し蓄積しており、業種別、地域別、報酬別に分析でき、さらにそれらを期間別で比較することもできる。コロナをきかっけに、その有意性に対する認識が広がった。
同時に、加藤社長は「公的に認められるような会社になりつつあるかなと感じます」というように、コロナ禍で、自身もゴーリストの存在意義を改めて認識。より強く「表に出よう」と思った。
コロナ禍の求人市場の大きな変化は、リーマンショック(2008年)以来のこと。そのため、ある政府系機関からはリーマンショック前後との比較データを求められたが、当時は起業前。だが、この問い合わせを受け、加藤社長は、自ら手がけるビッグデータビジネスについて「過去のデータもビジネスになるということを確信した」という。