小手先だけでは目先の小さな利益しか得られない
ところで、投資の格言に「相場の器用貧乏」がある。
日本証券業協会の相場格言集によると、「何をやらせても一応ソツなくまとめる、便利で重宝な社員がどこの職場にもいる。上役からの『お呼び』も多く、周囲から羨望の目で見られ、出世間違いなしとのカケ声もかかる。が、結果は期待はずれ。昇進は途中で足踏みとなり、大成した例はあまり聞かない。これが『器用貧乏』。
株式投資もまったく同様である。小手先を利かせて売ったり買ったりしていては、目先の小幅な利益は上げ得ても大きな成果は期待できない。しかも相場の上げ下げ両方を、うまく立ち回って手中に収めようとすれば、いかに名人といえども百発百中というわけにはいかない。いつか必ずウラ目が出て、それまでの利益をすっかり吐き出すことにもなる」
と、いわば投資の心構えを説いた格言だ。
さらには、
「『カミソリと鉈(なた)』のたとえではないが、長持ちして大成しようと思うなら、目先を追って小回りを利かすよりも、胆をすえてどっしり構えるにしくはなさそうだ。株式相場というものは、そう簡単にわかるものではない。わかったような気分になり、わかったふりをするのは、間違いのもとになる」
と書かれている。
これだ! 株価が乱高下して落ち着かない今こそ、「どっしり構える」、長期投資に適した銘柄を買うべきだ。それが、ガラス・土石製品の「AGC」ではないのか――。
新型コロナウイルス問題で、新薬開発や有効なワクチンが製造・販売されるようになることで、コロナ問題にメドが立てば、経済活動は回復が見込まれる。その時に「ガラス」「電子」「化学」の事業の3本柱が、バランスよく保たれた「AGC」は、最初に株価が上昇に転じる銘柄の一つと考えた。
AGC株を長期チャート(10年)から見て、2020年3月の安値2255円を底と見た場合、新型コロナウイルスの感染が再度拡大している現状で、2200円~2600円あたりまで下げる場面がありそうだ。そうなれば、そこが絶好の買い場となる。
この格言「相場の器用貧乏」にならないためには、どっしり構えて、長期保有を目指したい。安値圏にある今が、AGC株の買い時ではないかと考えている。
【AGC(5201)】
2020年8月24日現在 保有株式 ゼロ
年初来高値 2020/1/21 4130円
年初来安値 2020/3/23 2255円
直近 終値 2020/8/24 2990円