世界中で600件超 止まない医療従事者やコロナ患者への暴力行為や嫌がらせ

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「実際に私たちが把握しているよりも多くの攻撃が」

   ICRCには、20年2月1日から7月31日にかけて、611件の暴力行為や嫌がらせ、誹謗中傷が報告された。世界40か国以上で確認された611件のうち、暴行が20%超、不安から生じた差別が15%、言葉による攻撃や脅迫が15%を占めていた。

   ICRCは「心配なのは、実際に私たちが把握しているよりも多くの攻撃が行われていると考えられることです」としている。

   また事例報告にあるような、人をターゲットとした一連の事件のうち、67%が医療従事者、22.5%が負傷者や病人(感染が疑われた患者を含む)、5%が避難民や難民に向けられたものだった。

   ICRCでHealth Care in Danger 事業を率いるマーチェイ・ポルコウスキ氏は、

「コロナ禍が医療従事者の身の安全を脅かしています。その存在が最も必要とされているにもかかわらず、です。多くが侮辱や嫌がらせ、暴行を受けています。個人用防護具 (PPE)の不足と相まって恐怖が増幅され、医療従事者とその家族の心身に大きなストレスがかかっています」

   と語り、またICRCで保健部門を統括する医師のエスペランサ・マルチネス氏は、

「医療従事者やコロナ患者に対する暴力行為などの根本的な理由には、ウイルス感染症への基礎知識の欠如がある。コロナの感染原因や拡大の仕方、予防について正しい情報を発信することが重要だ」

   と指摘する。

   医療体制のひっ迫が数多くみられるなか、こうした攻撃は医療へのアクセスと医療サービスの提供の双方に壊滅的な影響を与える。ICRCは各国政府と自治体に対して、これらの事件の発生を助長する誤った情報に対処するとともに、すべての医療従事者が安心して働ける環境を整備するよう求めている。

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