テレワークや自宅学習で需要増もパソコンは減少
2020年上半期のIT・オフィス市場は、低調だった。パソコンは前年比12%減の770万台と伸び悩み。テレワークやオンライン授業での自宅学習の需要で好調なリテール市場の販売台数は同31%増の200万台。19年12月末から3月半ばにかけてのOS(マイクロソフトのWindows7/8.1)サポート終了に伴う買い替え需要もあった。一方で、リセラー(ディーラー、再販)市場はOSサポート終了に伴う買い替え需要の反動減で、2月以降は前年割れが続き、2ケタ減となった。
タブレット端末は前年比6%減の340万台。パソコンとタブレット端末を合わると、市場規模は前年比10%減の1100万台だった。
プリンター・複合機は前年比8%増の200万台。リテール市場は同12%増と6年ぶりに前年を上回った。テレワークや自宅学習の増加による需要拡大が追い風となった。
イメージング市場では、デジタルカメラが大苦戦。前年比48%減の60万台となった。新型コロナウイルスの感染拡大で、卒業式や入学式、旅行などのカメラを購入するきっかけとなるイベントの中止、規模の縮小が相次ぎ、前年を大幅に下回った。
コンパクトカメラが数量ベースで前年比49%減、一眼レフは同53%減、ミラーレス一眼は同42%減となった。交換レンズも、カメラの大幅な販売減を受けて前年比40%減の20万本だった。
GfK ジャパンでは、2020年下半期(7~12月)の市場規模は、昨年の消費増税前の駆け込み需要、Windows7のサポート終了に伴う需要があった期間との比較となるため、前年を下回ると見ている。また、2020年通年でも前年の販売をやや下回ると予想している。
なお、家電販売店などの販売形態をみると、外出自粛の要請以降、インターネット販売の伸びが加速。家電小売市場でのインターネット販売の構成比(金額ベース)は、上半期に前年を4%ポイントほど上回り、19%を超えた。