世界中を襲う殺人的な暑さ 摂氏54.4度の米デスバレーでは「汗かかない」ってホント?(井津川倫子)

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   新型コロナウイルスの感染力に負けじとばかりに、日本列島を連日猛暑が襲っています。静岡県浜松市では国内最高気温に並ぶ41.1度を記録(2020年8月17日)。体温を遥かに超える気温にクラクラしそうですが、世界を見渡すと上には上がいました!

   米カリフォルニア州のデスバレーでなんと摂氏54.4度の気温が記録され、「世界記録更新か!」と話題を集めています。それにしても、54.4度の気温下で、人々は生きていけるのでしょうか?

  • とにかく暑い夏!!
    とにかく暑い夏!!
  • とにかく暑い夏!!

「オーブンの中を歩いているみたい」

   「世界最高気温候補」は、現地時間8月16日15時41分に、米国立気象局(NWS)がファーナスクリークに設置している自動観測装置で記録されました。観測された気温は摂氏54.4度! ちなみに湿度はたった7%だったそうですから、高温多湿の日本と比べてかなりカラッとした気候のようです。

'Highest temperature on Earth' as Death Valley, US hits 54.4C
(「地球で最も高い気温」アメリカのデスバレーで54.4度に)

   まさに、「Death Valley(死の谷)」そのものをイメージさせる異常な気温ですが、じつは、デスバレーでは1913年に摂氏56.7度の「世界最高気温」を観測していていました。ところが最近の研究では、この記録が観測ミスだったと疑問視されていることから、今回の記録が「正式な世界記録」に認定される可能性が高いと報じられています。

   それにしても、100年以上前にも「世界最高記録」を観測していたとは、暑さにも「歴史」を感じます。

   ちなみに、「Death Valley(死の谷)」という地名の由来は、かつて谷に迷い込んだ金鉱採掘団が、何日もたってようやく脱出に成功した時に「さらば、死の谷よ!」と言ったことから名付けられたと、ウィキペディアにありました。

   間違いなく世界で最も暑い場所の一つであるデスバレーですが、54.4度の気温とはいったいどんな状況なのでしょうか?

   デスバレーの国立公園に駐在する住民によると、「It's an oppressive heat」(過酷な暑さ)だそうです。気温35度の東京でも「過酷な暑さ」ですから、それは容易に想像できますが、「it's like being hit in the face with a bunch of hairdryers」(たくさんのヘアドライヤーで顔に熱風をあてられているようだ)となると、凄みが増してきます。

   さらに、外を歩くと「it's like walking into an oven」(まるでオーブンの中を歩いているみたい)で、「you can't feel the sweat on your skin because it evaporates so quickly」(すぐに蒸発するので汗を感じない)というのも驚きです。「死の谷」の夏は、地獄のような暑さのようです。

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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