新型コロナウイルス感染症が長期化するなか、一方で集客力を高めたい大規模商業施設やスーパーマーケット、飲食店や小売店、カラオケ店などでは、利用者とそこで働く従業員の安全確保のため、画像認識技術を用いた来店者の体温測定やAI(人工知能)を搭載した非接触ロボットなどの技術導入を進めている。
「ウィズコロナ」の中で、少しでも安心して来店してもらうために必要な施策を、相次いで投入している。
GREEN UTILITYの「紫外線除菌」技術を活用
通信事業大手のKDDIと、カラオケ店「JOYSOUND」の株式会社エクシング(愛知県名古屋市)は、GREEN UTILITY株式会社(東京都新宿区)の「紫外線除菌」技術を活用して、新型コロナウイルス感染症への対策を強化した。GREEN UTILITYが2020年8月18日に発表した。
18日から、au IKEBUKURO(KDDI直営店)に紫外線除菌ケース、またエクシングの子会社の株式会社スタンダード(東京都港区)が運営するJOYSOUND 池袋西口公園前店に紫外線除菌BOXを設置した。
KDDI直営店では、消毒液や販売スタッフのマスク配備による衛生管理の徹底や、受付カウンターにパーテーションを配備することで飛沫感染の防止などの取り組みを実施している。これをさらに強化し、来店したお客の体温測定の自動化や展示デモ機の消毒を効率化する。また、「スマホ除菌コーナー」を設置。お客は自分のスマホを紫外線除菌ケースに入れることで、無料で除菌することができる。
カラオケのJOYSOUND直営店では、利用する部屋やマイクなどの設備の衛生管理の徹底や入室人数の制限などの取り組みを実施。さらに、来店されるお客の体温測定と受付時にロボットが新型コロナウイルスの感染予防を呼びかけるほか、対象のカラオケルーム内のマイクを常時除菌するための紫外線除菌BOXを設置した。
◆ 幸楽苑が非接触型の配膳ロボット 感染予防と人手不足の解消を両立
幸楽苑ホールディングス(福島県郡山市)は、新型コロナウイルス感染症の予防対策と人手不足の解消を目的に、AI(人工知能)を活用した非接触型の自動配膳ロボット「K-1号(ケー・イチゴウ)」を導入、実証実験を開始する。 2020年8月27日から、本宮店(福島県本宮市)に導入。同社によると、ラーメン業界で日本初の試みという。
新型コロナウイルス感染症の対策として、配膳の仕事を自動化することで非接触とし、店舗スタッフの負担を軽減。それにより、お客へのサービス中心の働き方へシフトできると判断した。ロボットにはセンサーが搭載されており、人や物にぶつからず安全に走行できるほか、音声案内によるエンターテイメント性も兼ね備えている。
お客がテーブルに設置してあるタブレットで料理を注文すると、店舗スタッフが注文内容を確認。でき上がった料理をロボットのトレーに乗せて、タッチパネルで移動を指示すると、お客の席まで料理を運ぶ。お客が料理を受け取った後、ロボットの音声案内に従い、頭のセンサー部分に手をかざすとロボットは厨房に戻る。動く姿がかわいらしい。