「テレワークの導入・充実」も女性活躍に欠かせない
さらに、「今後、より女性の活躍を促進するためには、どのようなことが重要と考えるか」との問い(複数回答)には、「妊娠・出産・子育て支援の充実」が64.7%でトップとなった。前年(2019年)に続いて最も高かった=下図参照。
次いで、育休復帰支援などの「仕事と子育ての両立支援」(56.2%)、長時間労働の削減などの「働き方の改革」(55.3%)、待機児童や保育士不足の解消などの「保育サービスの充実」(52.7%)が5割超で続き、女性の家庭での負担軽減に関する項目が上位に並んだ。
注目は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で急速に普及が進んでいる「テレワークの導入・拡充」(36.3%)。3割以上の企業が女性活躍推進にもテレワークが重要であると認識していることが明らかになった。
企業から寄せられた声には、
「女性従業員の登用への一番の壁は結婚・出産での離職だと思うので、国がもっと子育てをしながら働ける環境を整備しなければ進まないと感じる」(東京都、ソフト受託開発)
「さらに女性が働きやすい職場へ変化させるために、労働時間削減や業務の見直しなどを進めたい」(長野県、一般貨物自動車運送)
「女性パート社員が大変優秀で、時給をアップしているが、扶養の範囲を超えてしまうため、もっと働きたいのに働けない状況になっている」(宮城県、金属加工機械卸売)
などがあった。
安倍晋三首相は2014年の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、「2020年までに、指導的地位にいる人の3割を女性にする」と宣言。女性活躍の推進を、アベノミクスの成長戦略で柱の一つと位置付けていた。
しかし、就業人口の減少や共働き世帯の増加などもあり、職場での女性の存在感が高まってきているものの、「3割目標」の達成には遠く及ばず、政府は2020年7月、この目標を先送りし、「20年代の可能な限り早期」とする方針を示した。
なお調査は、帝国データバンクが景気動向調査(2020年7月)とともに実施した。