売れ筋やオススメの文庫を紹介
「手文庫」で扱うのは文芸書が中心だ。「少し古め」の本をテーマに取り揃えてある。
「こういった外国文学ものが一番売れ行きがいいですね」と、見せてくれたのは「砂男 無気味なもの ―種村季弘コレクション」 (河出文庫 1995年)と「黒んぼたち・女中たち」(ジャン・ジュネ著 訳:白井浩司・一羽昌子)だ。文庫中心の「手文庫」では、古書との出会いを気軽に楽しめるのも魅力の一つだ。
「これは最近読んで、おもしろかったんです」と差し出されたのは、「ヘンリ・ライクロフトの私記」(ギッシング著 訳:平井正穂 岩波文庫 1951年)自伝形式の小説には、悠々自適に片田舎で余生を過ごす主人公の様子が描かれ、そのゆったりする生活の景色に心惹かれたという。
「心が安らぐような田舎暮らしの様子に、つい『羨ましいなぁ』と思っちゃったりして」と、的場さんは笑って話す。