両手で包まれるような、小さく丁寧な時間が流れる書店(Vol.15「手文庫」)

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売れ筋やオススメの文庫を紹介

   「手文庫」で扱うのは文芸書が中心だ。「少し古め」の本をテーマに取り揃えてある。

   「こういった外国文学ものが一番売れ行きがいいですね」と、見せてくれたのは「砂男 無気味なもの ―種村季弘コレクション」 (河出文庫 1995年)と「黒んぼたち・女中たち」(ジャン・ジュネ著 訳:白井浩司・一羽昌子)だ。文庫中心の「手文庫」では、古書との出会いを気軽に楽しめるのも魅力の一つだ。

   「これは最近読んで、おもしろかったんです」と差し出されたのは、「ヘンリ・ライクロフトの私記」(ギッシング著 訳:平井正穂 岩波文庫 1951年)自伝形式の小説には、悠々自適に片田舎で余生を過ごす主人公の様子が描かれ、そのゆったりする生活の景色に心惹かれたという。

   「心が安らぐような田舎暮らしの様子に、つい『羨ましいなぁ』と思っちゃったりして」と、的場さんは笑って話す。

店主の人柄を感じる選書
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なかざわ とも
なかざわ とも
イラストレーター
2016年3月学習院大学文学部卒。セツモードセミナーを経て桑沢デザイン研究所に入学、18年3月卒業。趣味は、宝塚歌劇団、落語、深夜ラジオ、旅行。学生時代より神保町に惹かれ、現在フリーペーパー「おさんぽ神保町」の表紙や本文のイラストを手掛けている。1994年、東京都生まれ。
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