しばらく動きのなかったビットコインが2020年7月末から大きく上昇。8月2日には128万円を付けました。これは、2019年8月7日以来となる約1年ぶりの高値となります。
いったい何が起こったのでしょうか?
今回は、ビットコイン急騰した要因について解説します。
給付金の支給で仮想通貨取引所に入金殺到
ビットコインが大きく上昇した背景には、さまざまな材料があるのですが、米国の給付金が再び支給される可能性が高まったことが、ひとつの材料ではないかと考えられます。
そんなことがあるのか! と思う人も多いでしょう。しかし、4月16日に米国で給付金が振り込まれた日には、大手の仮想通貨取引所への入金が殺到。その結果、ビットコインは8万円ほど上昇することとなりました。
それを示すデータとして、大手取引所であるコインベースCEOブライアン・アームストロング氏は、ツイッターで1200ドルちょうどでのビットコインの購入の割合が増えていることを示す画像を投稿しています。
さて、7月26日にムニューシン米財務長官は、共和党の新型コロナウイルス対策法案を翌日に発表すると明らかにしました。その後のビットコインの動きをご覧ください=下グラフ参照。
再び給付金が振り込まれると、ビットコインに投資されることを見越した思惑で買いが殺到しているように見えますよね。失業給付は7月まで週に600ドルももらえているようで、手厚い保証の一部が株式市場や仮想通貨市場へ流れていると言えます。
さらに、ビットコインは2か月ほど小動きとなっていましたから、これまでの反動で余計に大きく動くこととなったわけです。
ビットコイン、今後はどうなる?
さて、大きな動きとなったビットコインですが、今後はどうなるのでしょうか――。給付金での買いが終わった後は、再び元に戻るのでしょうか。その道しるべとして、金(ゴールド)価格の史上最高値更新があります。
※ 参考リンク:コイネージのレポートでは、金融商品で一番の相関性があると分析されています。
金とビットコインは埋蔵量と発行枚数が決まっているということから希少性があり、「デジタルゴールド」とも呼ばれるビットコインと値動きの相関性があります 。
新型コロナウイルスへの対抗措置として、世界中の政府の大規模な金融緩和により法定通貨の価値が大きく低迷。相対的に金やビットコインの価値が高まることになったと言えます。
その他にも、時価総額で2番手のイーサリアム(ETH)が11月に予定されているアップデートへの開発が順調に進んでいることや、時価総額で3番手のリップル(XRP)が地域版オンラインイベントを開催することによって盛り上がっています。仮想通貨市場全体の地合いが良いために、買いが買いを呼ぶ展開となっているのです。
Google検索で見ても、「Bitcoin」は注目を集めていることがわかります。
特に、ナイジェリアや南アフリカなどの新興国で良く検索されており、自国通貨の価値の低迷を、ビットコインで補完する人も多いのかもしれません。米ドルなどの安定している法定通貨が手に入らない国では、こういった事態が起きた時にビットコインは救世主となるわけです。
パンデミックは早く収まってほしいですが、ビットコインこういった素晴らしさは世界中に広がってほしいですね。(ひろぴー)