米国株式市場の好調な流れを受けて、東京株式市場の日経平均株価が上昇している。この8月(2020年8月)に入って、日経平均株価は2週間で1500円を超えてきた。その背景には、新型コロナウイルスに対するワクチン開発の進展が大きい。トランプ政権が追加の財政措置を前進させることがドル買い材料(円安傾向)になったこともある。
半面、懸念材料は米中対立の先鋭化が進んで、ドルの上昇が抑えられること。
どうなる? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 ワクチン開発が市場を後押し
日経平均株価予想レンジ:2万1500円~2万2600円
2020年8月14日(金)終値 2万3289円36銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、2万3000円台を固める動きか。
前週の日経平均株価は、959円も上昇し、約2か月ぶりに2万3000円台を回復した。米国の雇用関連指標が市場予測を上回ったことや、トランプ米大統領が大統領令の追加財政措置に署名したことで、米国の株高や外国為替市場で円安の動きが続いたことが相場の支援材料となった。
今週の日経平均株価は、上値抵抗線となっていた2万3000円を上抜けてきたことで、さらに上値を試す場面もありそうだが、2週間で1500円以上も上昇したことで、スピード調整から上値も重くなりそうだ。いったんは2万3000円台を固める動きになると見られる。
ただ、米国株式市場の好調さと外国為替市場で円安の動きが支援材料になっていることに加え、新型コロナウイルスのワクチン開発の進展が相場の押上材料になっており、ワクチン開発が一段と進展するようであれば、2万4000円台を目指した動きも期待できそうだ。
東京外国為替市場 ドル買いも上値が重い展開か?
ドル・円予想レンジ:1ドル=104円50銭~107円00銭
2020年8月14日(金)終値 1ドル=106円59銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、もみ合いか。
前週のドル円相場は、ドルが強含みで推移し、一時1ドル=107円台まで買われた。米国株式市場の好調さと、トランプ米大統領が大統領令の追加財政措置に署名したことがドル買い材料となった。
今週のドル円相場は、トランプ米大統領が大統領令の追加財政措置に署名したことで米国の景況感が改善。これを受けて、米国の長期金利が上昇していることがドルの支援材料になっている。また、米国の雇用関連指標が市場予測を上回ったこともリスク回避のドル売りポジションの解消につながった。
しかし、追加経済対策の規模をめぐっては、引き続きトランプ政権と民主党指導部との協議は難航しており、加えて米中の対立が一層先鋭化していることで、ドルの上値は重くなりそうだ。
経済指標は、国内では17日に4~6月期GDP(国内総生産)速報値、6月の鉱工業生産確報値、19日に7月の貿易統計、6月の機械受注、21日に7月の全国消費者物価指数と訪日外客数などが予定されている。
海外では、17日に8月の米ニューヨーク連銀景気指数、18日に7月の米国住宅着工件数、19日に7月28、29日開催分のFOMC(米連邦市場公開委員会)議事要旨、21日に7月の米中古住宅販売件数などが予定されている。
(鷲尾香一)